たとえばボクが
今より過去へ
今より未来へ
-夢日記-
『邂逅』
木々の上から降り注ぐ太陽光が、葉を透過して、
まるで水晶のように緑を浮かび上がらせている。
深い深い森の中、果てしなく続く戦闘。
時は20世紀初頭、第一次世界大戦のころ。
ボクはヨーロッパ戦線、独仏の国境近くの森にいる。
どうやら、連合国側の一員として参戦しているようだ。
崖の上に、2人のドイツ兵を見つける。1人は士官。
兵卒の方に見覚えがあった。それは、ボクの兄貴分で、
ぼくらは、戦争によって、敵味方に分かれてしまっていた。
戦場の邂逅・・・
気が付けば、ボクの仲間が彼らを狙撃しようとしている。
ボクは、思わず、ケータイを取り出し、電源スイッチを入れる。
one call...
おそらく、ポケットの中でケータイが震えたのだろう。
兄貴分の彼は、怪訝そうにケータイを取り出す。
そして、それが、誰からのものであるかに気付くと、
彼らは、あわてて、遮蔽物のなかに身を潜める。
至近距離を掠める銃弾。
<ふぅ・・・ひと安心・・・>
すると・・・士官の方のドイツ兵が、
(それは彼の上官である小隊長だった)
彼のケータイを奪いざま、即座にリコール。
<しまった・・・>
彼に連絡するため、電源を入れていたケータイ。
≪Don't dream it's over≫
戦場にそぐわない音色で着メロが鳴り響く。
<ちっ・・・>
崖下にいたボクは瞬く間に発見されてしまう。
ドイツ士官と目が合う。向けられる銃口。
<やられる・・・>
そう思った瞬間、士官のこめかみが撃ち抜かれる。
兄貴分の彼が、ボクを助けたのだった。
祖国と、戦友である上官を裏切って・・・
<あ、ありがとう・・・>
「なに、借りを返しただけさ・・・」
そんな短いやり取りをしたあと、
でも、ボクらは途方に暮れてしまう。
ボクらは共に重大な軍規違反を犯したのだ。
静まりかえった戦場に、
鳥たちの声が響いていた。
・・・
2人で森の中を彷徨っている。
川の畔で、ある賢者に出会う。
木の洞に住んでいるその賢者は、
あらゆる勢力に肯んじないような、
そんな、強い力を持った人だった。
賢者の導きによって、ボクらは、
さらに時間の流れを遡っていく。
かつて、聖王とよばれる名君が小アジアにいた。
何世代となく隔てた後になって、ようやく、
その王と比肩しうるような君主が誕生した。
そのゆえに、その人は、自身を以て第二代の王とした。
その第二代王の宮廷にボクらは居た。