『歴史になってしまった戦争』
この展覧会では、テーマ設定の難しさというものを感じました。
取り捨て選択の難しさ・・・
所蔵コレクションの展覧会ということもあって、
展示されているのは(ほぼ)「第二次大戦」や「ベトナム戦争」であり、
現代の戦争や、ローカルな戦争(紛争)の写真はありません。
また、悲劇の切り方も戦争というアスペクトだけで良いのか。
貧困や飢え・・・戦争の原因ともなり得るこれらの扱いはどうか。
また、戦争というのは日常からかけ離れた何か特殊なものであるのか。
(実際は日常そのものが戦場になり得る⇒アフガニスタン/パレスチナetc.)
この展覧会の意図が奈辺にあるのかは分かりません。
しかし、「現代においても変わらないものがある」
という意図を持っていたのだとしたら、この展覧会は失敗です。
それとは逆に「それらの戦争は、すでに歴史になってしまった」
と言明しているように感じてしまうのです。
著名な写真家たちによる世間に流布したイメージの再構成。
それは、ともすれば陳腐化してしまいます。
たしかに、個々の写真のまなざし、そして、写真に写るまなざしは
非常な説得力を持ってぼくらに迫ってきます。
しかし、それだけで果たして、ぼくらの心をえぐるかどうか。
たとえば、ぼくらと同じような服を着て、同じような都市空間で、
ぼくらと同じような映り方をしている子どもの写真があれば、
そこから、過去にも視線を重ね合わせることが出来るでしょう。
しかし、この展示室の中は
<物語><歴史><ここではないどこか>だった。
そんな感じを受けました。
「こどもの情景 - 戦争とこどもたち」東京都写真美術館5/14-7/10