ふつうであること | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)



『ふつうであること』


いま、ここにあること。

向かいのホームに幻影を見る。

モノクロームになった世界に重ね合わせる記憶の欠片は、

わずかな光と色彩をそこに加えていく。


月は地平線の彼方に沈み、

アポロの宇宙飛行士でもない僕は、

月のない空をただただ眺めている。


未曾有の大災害の傍らで、

それでも日常は続いていく。


政府、東電、whoever...

今は、誰も責める気になれない。

もし出来るのであれば、

むしろ責められる側にいたい。


このところずっと、ぼくはというと・・・


「どの部分がどうで」って切り分けることは、とても難しい。

心の中では色んな要素が複雑に絡みあっていて・・・

世界で起こっていることも、ぼく自身の卑近なことも。


言葉は切り取り、抽出、あるいは選択で・・・


選択され、デコヒーレンスされた言葉は、

あたかも、それがそうであったかのように思えてしまう。


でもきっと、

言葉になる前のものは、感情は、もっとずっと、

重なり合い、混ざり合い、溶け合っているもの。


平文で書けば、きっと誰にとっても分かりやすい。

でも、分かり易すぎるからこそきっと、そこにはウソが混じっている。


3/11以前の感情は今となっては再現できない、

それと同じように春休みの前の感情も再現できない。


ぼくの感情はきっと、

書き連ねた言葉そのものに現れている。

「はるじおん」

意味を越えて。

でも、それは完成しなかったし、この先もきっと完成しない。

だから公開する気もないし、だからこうして話すことにした。



昨年度の発表で、ぼくが、

なぜ、あれほど月にこだわったのか。

なぜ、あれほど星空にこだわったのか。

今にして思えば、あれはLove letterだった。


もっとも、最後の発表の趣旨は「ぼくにはムリだ」ってことだった。

それは、その当時の心境を良く現していたように思う。


じつのところ、ぼくには、あと一年間、残されていた。

しかし、それ以上、好きで居続けるわけにはいかなかった。


カグヤさんはぼくの世界を彩る虹色の月だった。

恋人だなんて、そんなこと求めはしない。

ただ、同じ教室にいられるだけでよかった。

でも、心が「それ」を乗り越えようとしていることに気付いた時、

ぼくは、カグヤさんを好きで居続けることは不可能だと悟った。

同じ教室に居続けることも・・・


だから、後悔しないために、卒論の積もりで最後のレポートを書いたし、

そして、「ぼくは、もう恋愛には興味がないんだ」と言わんばかりに、

ブログではアイドルの記事を書き始めた。それは今でも続いている。


ぼくには最初から分かっていた。

フラれるだろうってことくらいは。


だから、「その手紙」はむしろお別れの手紙に近いものだった。

今となっては、「その手紙」を読んでくれたかどうかすら、

ぼくには知る術がない。

どちらにせよ、ぼくにとっては同じことだった。


すべては計算づくの筈だった。

「それ」は、むしろぼくが望んでいたことだった。


・・・


春休みの間はね・・・それでも平気だった。

長い長い休みの間、姿が見えないのはいつものことだから。


でもね・・・

長い長い冬を越えて、

世界がまだ真っ白だってことに気付いたら、

木々たちはどう感じるだろう・・・


今年度、

カグヤさんが所属するゼミと演習がある時間、ぼくは学校に居ない。


わざわざ、そういう日程を組んだ。

「それ」は、ぼくが望んだことだったから。

カグヤさんがそれ以外の授業をとっているかは分からない。

それでも、ぼくにとっては、学校はカグヤさんが居ない場所になった。


そして、七色だったキャンパスはモノクロームになった。


太陽の下では眩しくて何も見えない。

月明かりは世界を浮かび上がらせる。

仄かな淡さと、透明な青さでもって。


月が沈んでしまった空を、

今は、ただただ眺めている。


・・・


思い起こせば、2008年の初頭はずっと泣いていた。

学校が始まると、それどころではなくなった。

煌めきと雑音と、暖かさと眩しさと。

感覚に心を奪われていた。


振り返って見れば、

ぼくはいつしか忘れていたのかも知れない

鏡に映る自分を・・・


それは、ホントに単純なこと。

ぼくの見る世界とみんなの見る世界は違う。

たったひとつだけ、ぼくの瞳には映っていないものがあって・・・

今、どうしても、その顔が、

みんなと同じ場所に居たようには思えなかったな・・・


いまは、どうしようもなく寂しい。


すべては計算づくだった筈なのに、心は時々、

「会いたいよ会いたいよ」って泣いている少年に出会う。


いまは・・・

なんだか、すべてが逆流してくる。

奔流となって僕に襲い掛かってくる。

「だって、みんな居なくなっちゃうんだよ。」

なんだか、世界が終わってしまうような気がしている。



今はただ、一緒に笑って泣いて、喜んで

サッカーの話をして・・・盛り上がって肩を組んで、

そういう普通の友達が欲しい。


なんだか、タメ口で話してくれることが妙にうれしい。

そんな感じ。