岡崎問題に関する意見表明3 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
前回は、「Jリーグのチームは若手選手と長期の契約を結ぶべきか。」
 
という問いを発して終わりました。
 
 
さて、それでは考えていきましょう。
 
もちろん、違約金を手にしたければ長期の契約を結ぶべきです。
 
しかしながら、これにはいくつかの問題点が存在しています。
 

 
1.選手の意志
 
当然のことながら、契約というのはチームが一方的に結ぶものではありません。
 
いくら複数年契約を結びたくとも、選手がOKするとは限らないのです。
 
 
岡崎はシュトゥットガルトに移籍した結果、年棒が3倍に跳ね上がりました。
 
残念ながら、現状では「実力」「注目度」「経済規模」
 
いずれもJリーグは欧州のトップリーグには及びません。
 
 
たしかに、一方では「生まれ育った町のクラブでプロ生活をおくる」
 
というような夢もありますが、あくまでも、それはひとつの価値観に過ぎません。
 
(日本の場合、生まれ育った町にプロクラブがあるとは限りませんし)
 
選手が海外に移籍したいと思うことは止められないでしょう。
 
 
海外に移籍したければ、移籍しやすい状態の方が良いに決まっています。
 
前回の記事でも触れましたが、日本人選手が人気なのは「安い」からです。
 
海外志望の選手が複数年契約を結ぶのは自分を縛る行為に等しい。
 
もちろん、チームに恩返しをするために(海外志望でありながら)
 
わざわざ長期契約を「結んでくれる」選手もいるでしょう。
 
しかし、それを強制することは(誰にも)出来ません。
 
 
2.ビジネスモデル
 
もう一方では、経営に関わる問題が潜んでいます。
 
先ほども言った通り、日本人選手が人気なのは「安い」からです。
 
つまり、選手と長期契約を結んで高い違約金を設定したとしても、
 
今度は逆に買ってくれない可能性が出てくる。
 
 
現在、香川や本田の市場価格は10億以上になると思いますが、
 
彼らがJリーグにいたら、そのような値段にはならなかった筈です。
 
選手の市場価格は相対的な基準によって定まりますから、
 
(現実問題として、比較できる対象がアジアのチームしかない)
 
Jリーグ所属の選手が莫大な違約金をもたらす可能性は少ないのです。
 
2年間の契約を残していた内田の違約金も1億5千万円に過ぎませんでした。
 
 
また、才能がある選手だと思って長期契約を結んでも、
 
実際は使えない選手の可能性だってある。
 
しかし、長期契約を結んでしまったら解雇できませんし、
 
人事が膠着すれば、補強策にも影響するでしょう。
 
肥大化した人事予算は、やがて経営を圧迫していきます。
 
「違約金によって、クラブを経営していく」
 
そういうビジネスモデルは機能しないのです。
 
 
3.環流
 
Jリーグが「草刈り場」になって、レベルが下がるという声もありますが、
 
ぼくは、その点は端から問題にならないと思っています。
 
国際市場の中に居る以上、選手は環流していくわけですが、
 
(さきほども言ったように)Jリーグ各クラブの規模は、
 
欧州のトップリーグ各クラブの規模には及びません。
 
従って、才能ある選手が吸い上げられる傾向は止められないのです。
 
 
かと言って、選手に「関税(=違約金)」をかけて輸出を阻止すべきか。
 
それは、なかなか難しい問題だと思います。
 
前回のW杯で日本代表チームが好成績を残した背景には
 
長谷部や本田、松井など海外所属選手の貢献がありました。
 
また、中村俊を初めとして、小野、稲本、高原、大久保などなど、
 
かつて海外で活躍した選手がJリーグに戻ってもたらすモノもあります。
 
選手が環流しなければJリーグは「ガラパゴス化」するでしょう。
 
ガラパゴス化してしまったリーグは間違いなく「進化」から取り残されます。
 
だからと言って、完全に「自由化(=違約金0)」するべきだとは言いません。
 
選手個々の適正な価格(違約金)を見出すことが大切なのかも知れません。
 
 
4.戦略
 
逆に、安いという「利点」を生かして、どんどん輸出してしまうという手もあります。
 
中村俊輔の活躍によって水野晃樹を買ったセルティックの例のように、
 
欧州市場における日本人選手の「シェア」を拡大していくという発想です。
 
そうやって日本人選手が海外で実績を積み上げれば、
 
Jリーグに所属する選手の価値も上がっていく筈です。
 
そうなれば、ある程度高くても選手を買ってくれるようになるでしょう。
 
もちろん、これはあくまでも(日本がとりうる)ひとつの戦略の提示に過ぎません。
 

 
とはいえ、それらは各クラブが個々に判断することです。
 
 
そして、どのような戦略を選択するにせよ、明確な戦略を持つべきです。
 
複数年の契約も結ばなかったあげく、
 
シーズン終了後の1日2日の違約金を請求するような「非常識な行動」と
 
「戦略」とは、まったく区別されなければならないでしょう。
 
 
3日連続という長い文章になりました。
 
お付き合い頂いた方、ありがとうございました<(__)>