注:以下の文章は不愉快な気分にさせる恐れがありますので、閲覧には充分ご注意下さい。また、当作の小説や映画を見た方、あるいはこれから見たいと思っている方の気分を台無しにする恐れもあります。
『ゴールデンスランバー』
2010年日本、139分
中村義洋 監督
堺雅人 主演
人気作家・伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説を、『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』に続き中村義洋監督が映画化したサスペンス。巨大な陰謀に巻き込まれ、首相暗殺の濡れ衣を着せられた宅配ドライバーの決死の逃避行をスリリングに描く。主演は、中村監督の『ジェネラル・ルージュの凱旋』でも共演している堺雅人と竹内結子。そのほか吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、柄本明といった実力派キャストが顔をそろえる。-Yahoo!映画-
感想
「大きな物語」は終わりを告げた。そんなことは誰でも知っている。
だからと言って、全てのものから目を逸らして、
自分たちだけの小さな幸せを追い求めていれば、それで良いのか。
僕らが日々を生きていく中で、
誰にも(何にも)痛みを与えずに暮らしているとでも思っているのか。
消費社会の中で、僕らが痛みを感じなくなったら終わりじゃないか・・・
もう文壇も映画界もうんざりだ。
伊坂幸太郎も中村義洋もうんざりだ。
メッセージが伝わる人も居るだろう。勝手に伝われば良い。
楽しく見れる人も居るだろう。勝手に楽しめば良い。
感動出来る人も居るだろう。勝手に泣けば良い。
僕はもううんざりだ。
首相暗殺という如何にもスケールの大きそうな舞台を、
ノスタルジックな気分のドラマの小道具にした感がある。
ストーリー仕立てのPVを2時間半に渡って見させられたようだ。
社会も世相も何も描いてはいない。
リアリティのカケラも感じられない演出。
ただノスタルジックな気分だけがそこにある。
それで良いんだと言う人も居るだろう。
面白ければ良いじゃないかと言う人も居るだろう。
それが世相を表しているんだと言う人も居るだろう。
これが現実だと言うのなら、僕は現実には居たくない。
これがお伽話だと言うのなら、僕は言葉を口にしたくはない。
これがコメディだと言うのなら、僕は二度と笑いたくはない。
こんなものを楽しく見るのが現代ならば、僕はこの世界には居たくない。
ナンセンス。意味なきナンセンス。
ナンセンス。センスなきナンセンス。
笑いたければ笑えば良い。
泣きたければ泣けば良い。
勝手に自分たちだけのノスタルジックな世界に浸っていればいい。
僕は其処には居たくない。
僕はもううんざりだ。
☆☆☆(3.0)