久しぶりに空を飛ぶ夢を見た。
夢で空を飛ぶのは簡単だけどコツがいる。
まず、心をからっぽにする。
心を浮き袋にするようなイメージ。
そうすると、ふわっと体が浮いてくる。
疑ってはダメ。疑うと、すぐさまストンと落ちてしまう。
だから、心を宥めながら、ゆっくりゆっくりと浮き上がる。
何もないところよりは、ビルの近くなどの方が飛びやすい。
高さを確認できるからかな。ビルに沿って昇っていく。
慣れると、どこまでも飛んで行けるようになる。
見たことが無い筈の景色が眼前に展開される。
家の上空、学校の上空。どこだって行ける。
昔は、毎日のように空を飛ぶ夢を見ていた。
久しぶりに見た空を飛ぶ夢。
どこか都会の上空だった。夜の都会。
眼下には疎らな光。黒い四角いシルエット。
遠くには橋が見える。月明りで海面が鈍く光っている。
耳に聞こえるのは風の音だけ。少し寒い。
でも・・・「そうだ・・・ぼくは空を飛べるんだ!」
空を飛ぶ夢を見なくなったのは、いつからだったろう。
大学に入ってからかな・・・それとも・・・
でも、思い出した・・・ぼくは空を飛べるんだ。