
あれは
湘南の夕焼け
あれは
大山の残雪
騒然たる風のなか
記憶に一人佇む
あれは
庇を叩く音
あれは
路面を叩く音
閉じた瞳のなか
消えていく空の色
あれは
気が遠くなるような赤
あれは
風が連れ去った花
柔らかな頬を撫でる
あれは
押し潰されそうな白
あれは
雨が流し去った雪
つぶらな瞳を濡らす
あれは
時を叩く音
あれは
記憶が凍る音
窓を揺るがし
私を拒絶する
誰知らねど
花は咲く
誰知らねど
雨は止む
「寂しさ」よ
私はお前が恋しいのだ