『ウォーリー』
WALL・E
WALL・E
2008年アメリカ、97分
アンドリュー・スタントン(Andrew Stanton Jr)監督
PIXARの新作映画、ウォーリー。
冒頭にオマケのショート・ムービーが上映される。
これが中々面白くて、思わず笑ってしまう。
ハイテンションの冒頭から本編に入ると雰囲気が一変する。
無限に広がる宇宙の光彩、煌きの中に存在する1つの星。
茫漠たる世界、赤茶けた生命の無い世界。
遥かな未来、人が見捨てた地球。ゴミの塔が築かれている。
風に舞う塵と、たった1人で働くウォーリー。
雑音だけの世界に音楽が流れる。たとえ廃墟化していても、
たった1つだけの大切な世界が、そこには広がっている。
イメージの奔流は、この世界を丹念に丹念に描き出した。
たった1人で陽気に働くウォーリーは見捨てられた
世界への愛に満ちている。切ないほど健気で心を奪われた。
イメージに満ち溢れた前半に比べると、
後半はエンターテインメント性こそ高かったものの、
少々ありがちな展開になってしまったようだ。
この後半をもう少し丁寧に描けていたらと思うと、
少し残念な気がする。あと一歩で特別な映画になった。
しかし、それを割り引いても尚、イメージと愛情に溢れた
素晴らしい映画であることには変わりはない。
こういう視線の遠い作品を空想力豊かに、そして丹念に
説得力を持って描けるアメリカ映画はやはりスゴイと思う。
心は、いつでも、どんな状況でも、愛するものを見出せる。
悠久の時間と、心を持つものの色に染められた映画。
☆☆☆☆☆
追記:字幕版が近くの劇場で上映されていなかったので、
今回は吹き替え版での視聴となりましたが、
この映画の場合、ウォーリーは言葉をほとんど喋りませんし、
吹き替えか字幕かは大きな問題にならないと思います。