2008年11月8日に行われたAFCアジアユース選手権。
決勝トーナメント1回戦において、
U19日本代表はU19韓国代表に0-3で敗れました。
この大会は来年のU20ワールドカップの予選も兼ねていて、
日本は7大会連続で獲得してきた出場権を
今回の敗戦によって失ってしまいました。
今大会が始まった当初から僕はこのチームに大きな
不安を抱いていましたが(その辺りはサッカー書庫の
過去記事を御覧下さい)その不安が現実になりました。
この試合の敗因も勿論ですが、僕はもっと大きな問題が
日本サッカーに潜んでいるような気がしています。
とりあえず、この試合の敗因をあげてみましょう。
まず第1には牧内監督が選出した守備陣の稚拙な
能力があげられます。今大会、信頼して使われていた
⑤村松(hondaFC)、何故アマチュアの選手を、
わざわざ起用するのか、1対1の対応では全てに
遅れをとり、ハイボールでは競り負け(身長175cm)
状況判断もポジショニングも悪く、さらに悪いことには
競り負けるのに、相手に飛び込んではことごとくかわされる。
何故この選手が招集されたのか。非常に疑問を感じます。
その他のDF陣、④金井(横浜FM)は少しはマシ
でしたが(J1出場経験あり)、ことごとく飛び込んでは
相手にかわされるのは同じで、ラインの作り方も極めて
稚拙でした。⑬岡本(広島)は本職ではない右SBでの
起用でしたが、相手に完全に振り切られて先制点の
きっかけをつくってしまうなど、完全に圧倒されていました。
後半途中に代えられたのですが、この交代自体も非常に
疑問の残る采配でした。わざわざ守備陣に交代枠を使い、
元々左サイドバックの②鎌田を投入したのですが、
投入当初は右サイドバックにそのまま入り、
慣れないポジションで守備が混乱したので、
左サイドバックに入っていた50吉田(川崎/本職は右SB)
と両サイドバックを入れ替えるという混乱ぶりで、
その直後に致命的な2点目を喫しました。
この1件だけでも牧内監督の無能さは一目瞭然なのですが、
さらに、交代枠に関して言うならば、⑭山本(磐田)を
使い続けたことにも疑問を感じます。元々ジュビロでも
準レギュラークラスとしてプレーする選手ですが、
プレッシャーに弱いことは明らかで、相手に寄せられると
ミスを連発し、守備でも余りにも軽いプレーで中盤を
崩壊させていました。本来ならば最初に代えなければ
ならない選手でしたが、守備に交代枠を割いてしまった
ことで、リードされている展開で⑮柿谷(C大阪)、
⑳河野(東京V)と突破力のある選手を投入した結果、
彼は最後までピッチに残ることになりました。
50吉田の能力不足も明らかで、フォローの距離も遠く、
フィード/クロスの精度、攻撃能力/判断力、
まるで備わっていないようでした。
⑥青木(大宮)も守備的な選手ながら相手を止められず、
パススピードも非常に遅く、チームの足を引っ張りました。
⑱鈴木(福岡)、25永井(福岡大)に至っては、
ほとんど試合から消えてしまい、揃ってドリブラーに
代えられました。ドリブラー投入の判断ですが、
⑳河野に関して言えば、彼の状況判断には非常に疑問を
感じました。そもそも先に投入された⑮柿谷がそこそこ
勝負できていたので、わざわざかぶるポジションに
河野を入れたことも疑問で、それならば中盤で拾える選手を
投入するか、ヒドいプレーを続けた⑭山本に代えて
テクニックの高い29木暮(新潟)を入れる判断も
あった筈です。フル出場したFW⑰宮澤(札幌)、
彼は少しはキープ出来ていましたが、負ける回数の方が
多く、また手癖が悪くファールを何度か取られていました。
スタメンで唯一評価できそうなのは⑧水沼(横浜FM)
くらいで、彼はスタミナと飛び出しを生かして、
チャンスを作ろうと奮闘していました、が、彼1人で
どうにか出来るチーム状態ではありませんでした。
この世代には香川を始め、金崎や大竹などJでも活躍している
選手が多いのですが、彼らはチーム事情や協会の事情
(香川はグループリーグ参戦後、A代表招集)で
参加できませんでした。この辺りは協会がアジアユースを
舐めていたとしか言いようがありません。
日本人選手が、国際舞台(アジア以外)で経験を積むには
ナショナルチームで世界大会に出る以外には、
海外に移籍する他なく、来年の大会の出場権を逃したことは
この先、計り知れないほどの大ダメージだと思います。
特に代表監督でありながら、自分の都合で香川を招集した
岡田監督には非常な怒りを覚えます。
不見識な監督の行為により、A代表だけでなく、
今後の日本サッカーの発展にも暗雲がたちこめました。
協会の責任も免れえません、何故あのような無能な監督を
起用したのか。何故そのようなことが起こるのか。
システム的にも問題があるようです。
今までは、世代ごとに違う監督を選んできて
成功してきましたが、こういう無能な監督が選ばれる
現実もこのやり方には存在しています。それならば
例えば、U18-20/U15-U17の監督を、
それぞれ日本サッカー協会として決めてしまう。
という考え方もあります。経験を積んだ監督、
実績のある監督を連れてきて、10年も20年も
ユース世代/ジュニアユース世代を任せるのです。
これならば、実績もない無能な監督が代表監督の地位に
就くということもなくなるでしょう。
これは非常事態です、今までの10数年間、
まがりなりにも日本がアジアの盟主たりえたのは、
Jリーグの存在と、ユース世代における"貯蓄"の影響でした。
いまやJリーグも年々レベルが落ちてきています。
もちろん否定意見はあるでしょう、しかし相対的に見て
在籍する外国人選手のレベルが大きく落ちてきているのは
事実なのです。ものさしの基準となる選手のレベルが
落ちてきている以上、世界的に見てJリーグのレベルが
相対的に落ちてきているとは言い得ると思います。
さらにここにきてユース世代の貯蓄も失われようと
しています。たしかにプラチナ世代と呼ばれる
92年組が希望を持たせるのは事実です。
しかし黄金世代と言われた79年組以降に
期待された世代は、ことごとく期待を裏切ってきました。
才能ある選手はいつの時代にもいる筈なのです。
それをちゃんと育てられているのか、考える時期です。
特にこの世代のサッカーを見ていて感じたことは、
走らなければならない、ラインは高く保たなければならない。
このお題目のように唱えられてきたセリフが如何に
空虚なものであったか、それを痛感しました。
ラインを高く保つために機動力の高いCBを起用する→
相手が放り込んできたボールにことごとく競り負ける→
競り負けるからラインを下げざるを得ない→
ラインを下げればただの背の低いDF陣になる→
結果、守備陣崩壊。
要は一対一で勝たなければ何にもならないということです。
オフェンスでは柿谷、水沼はそこそこ勝てていましたが、
守備では全ての局面で負けていました。
これで勝てる訳がありません。完全に力負けです。
個人というのは良く言われていることであり、
C・ロナウドやメッシーの影響もあって、
ドリブルで仕掛けられる選手は増えて来ました。
しかし守備においてはどうでしょうか、
守備は組織で守る、良く言われることです。
しかし今回のように無能な監督によって率いられた場合、
組織なるものは最初から存在しないも同然です。
ならば個人個人で守るしかない、しかしその個人が
極めて脆弱なのです。一体指導者はどういう守備を
教えているのだろう?そんな疑問さえ覚えるような
悲惨さを目撃しました。
これは危機です。何かを変えなければなりません。
何かが変わらなければなりません。
コネや人脈で監督を選んではなりません。
クローズされた状況で監督を選んではなりません。
もちろん一般の意見を聞いて監督を選べというのでは
ありません。選考の過程を、何故その監督を選んだかを、
明確に説明できるようにしなければなりません。
1人だけ選んで後から~だから選んだ、というのでは
いけません。最初に複数の候補を明示しておき、
選考の過程を公開すれば良いのです。
↓ウィキペディア:項目-牧内辰也
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A7%E5%86%85%E8%BE%B0%E4%B9%9F
(これを御覧になれば非常に不可解な人事であったことがお分かりになるかと思います)
長文になりました。
読んで下さった方。
お疲れさまでした。ありがとうございました。
サッカーコラム
~日本サッカーの危機~
2008 11/9 flowinvain記