
ある人々がいた。
彼らは星へ届こうと
塔を建てた。
地球上のあらゆる石を
使って。
雲まで届いた時、
1人が雲に飛び降りた。
彼は
雲を突き抜け
光より速く落ちて
世界に存在しなくなった。
それでも彼らは
塔を作り続けた。
深い深い森を切り拓き
木を使って塔を建てた。
深い深い海の水を掬い
氷を使って塔を建てた。
それでも彼らは
星に届かなかった。
ついには地球にある
全ての物質を使って。
それでも。
彼らは次第に
数を減らし、
最後の1人になった。
彼らは彼になった。
彼は、塔が振り子の月に
衝突して、砕け散るのを見た。
それでも
彼は星に近づいた。
誰もいなくなった世界で、
砕け散った破片が
小惑星となって
星々に降り注いだ。