『古寺巡礼』
和辻哲郎 (1889-1960)
和辻哲郎 (1889-1960)
古今東西の古典を勝手に選定しオススメする[古典のススメ]
第8回は「和辻哲郎」著『古寺巡礼』(1919年)です。
日本有数の哲学者「和辻哲郎」が、まだ20代の頃に
奈良の寺々を探訪し、その印象を書き留めた著作で、
哲学者でもあり、文学者でもある若き日の和辻の
鋭い感性と流麗な文章が冴えわたる傑作です。
ある人が語ったように、僕も芸術は語ると野暮になると
思っていました。しかし"芸術を芸術的に語れる"和辻の
『古寺巡礼』を読み、その考えは打ち砕かれました。
これこそ僕がやりたかったことだ、そう思いました。
僕が迷いに迷った末、最終的に芸術学科を選択したのも、
詰まる所は《古寺巡礼》の存在の大きさ故でした。
哲学者である和辻の著作を読んで芸術学科に
入ってしまうのは僕の能天気さ故ですが、
『古寺巡礼』は僕の人生を決めた著作であるとも言えます。
僕の文章は余りに未熟で、目指す先は遥か遠くですが、
いつかは偉大な和辻の影の端にでも触れられるような
文章が書けるようになりたい、そう思いながら学んでいます。