僕はシーズン当初、コンサドーレ札幌の
残留については楽観視していました。
三浦俊也監督が構築した守備の組織は、
欧州最先端の戦術を体現した物だったからです。
しかし現在、開幕前に不安視された得点力不足ではなく
自慢だった筈の守備が崩壊し最下位に沈んでいます。
その理由を8.27G大阪戦をTV観戦し分析してみました。
この試合、気になった点は大きく分けて3つあります。
1.前線の守備
2.攻守の切替えの速度
3.守備時の相手選手との間合い
1.前線の守備について述べれば、まず第一に
「現代サッカーはすべからく前線の選手が守備すべきである」
という意見には、僕は組みしません。
「ロジカルな理由であれば、前線で守備をさぼっても構わない」
というのが、僕の意見です。
現にC・ロナウドなどは完全に前線で浮いているシーンが
多々見られます。もっとも、それはテベスとルーニーの
労を惜しまない守備の犠牲の上に成り立っています。
そのことによって彼はボールを持った時に常に全速力で
プレーすることが可能になります。驚異のシーズン42点は、
それを許した監督とチームメイトの協力と理解の賜物です。
しかし今の札幌になると少々話は違います、
お断りしておきますが僕はダヴィがC・ロナウドではない、
ということを問題にしたい訳ではありません。
現に彼はリーグ得点王に迫る勢いで得点を量産しています。
恐らく三浦監督は僕が先ほど述べたようなことを承知の上で
ダヴィとアンデルソンに守備をさぼらせているのでしょう。
問題なのは守備をさぼる選手のポジションです。
2ラインを揃え、選手間の距離を均等に保ち
相手に網をかける戦術を採用している札幌にとって
前線の選手が守備をさぼると、3列目から後ろの選手が
自由に侵入してきて、結果として守備が後手を踏み、
均等に網をかけるどころか、均等にスペースを与えてしまう。
という結果になりえます。これは8.27G大阪戦でも顕著に
現われた傾向で、2トップが守備の傍観者になり、
G大阪のMFにドリブルで持ち込まれバイタルエリアまで
簡単に侵入を許す、というシーンが数多く見られました。
先述したマンチェスターUのケースではC・ロナウドが
守備をさぼるのはサイドのポジションであり、
前線の2トップ、若しくは1トップは精力的に相手を
追い回します。前線でパスコースを限定し網をかける訳です。
一方、広大なスペースに疎らに選手を配置しながら
2トップが二人とも守備をさぼる札幌が簡単にゴール前まで
侵入を許すのは自明の理のように思えます。
ワザとさぼらせる選手ならばサイドに置いた方が
良いのではないか?というのが僕の意見です。
サイドならばサイドバックの選手、若しくは守備的MFが
対応して時間を稼ぎ、その間に他の選手がスライドし
スペースを埋めれば良いのですし、時間的余裕があります。
対して前線が2人とも守備をさぼった場合、
守備の初手で後手を踏むことになり、時間を稼げません。
これが札幌における現在の問題点の1番目です。
2.攻守の切替えの速度に移ります。
2ラインを揃える場合、問題になるのは相手ボールになった
際に如何に素早くラインを整えられるかが鍵を握ります。
これは1番目の問題とも絡むのですが、G大阪戦の札幌は
守備開始時に時間を稼げないことによって、ラインを
整えられないまま相手に攻め込まれるシーンが目立ちました。
これでは長所の守備組織が生きる筈がありません。
また初手の守備で後れをとることで、相手を追い回して
疲労し、物理的にダッシュで戻れないシーンも見えました。
恐らく現在の札幌は勝てないことによって選手に焦りが生じ
守備に気持ちを全て注げないのではないでしょうか?
1点リードしても追いつかれる不安で2点目を狙いにいく、
結果、守備をわずかながらも疎かにしてしまい失点する。
その悪循環に陥っているように思えます。
今の札幌に必要なのは勝ち点3を狙うことではなく、
ひとつひとつ着実に勝ち点を物にする為の
チーム全体で統一した明確な守備の意思だと思います。
ゴールを何点奪っても勝ち点が保証される訳ではありません。
しかし失点0ならば確実に勝ち点1以上は稼げる訳です。
相手ボールになった際に地道に自分のポジションに戻る。
それが全選手に求められます。そこが守備の原点です。
秋になり涼しくなれば、選手の運動量が向上し
この点は少し改善されるかも知れません。
3.守備時の相手選手との間合いについて述べます。
これは選手個人の能力にも関わりますが、
特にサイドバックの選手が相手を離してしまい簡単に
クロスを上げられてしまうシーンが多々見られました。
結果、それが致命傷になり引き分けで試合を終えました。
これは三浦監督の指示によるものかも知れません。
というのは札幌のようにバランス良く配置した守備を敷く
チームは、守備選手が相手に飛び込み抜かれてしまうと、
近くに味方選手がいない為、相手をフリーにしてしまいます。
そこで相手に振り切られないように自分のゾーンを
守備する必要が生じます。
ここまでは札幌の選手も忠実に守っていました。
しかし、いざクロスを上げられる段階になったり、
ペナルティエリアに侵入を許してしまうようなシーンでは
即座に頭を切り替えることが求められます。
この点では完全に応用力不足を露呈していました。
これは僕個人の意見ですが、札幌は高い選手を揃えて
いるので、ペナルティエリアの外ではある程度ファールを
犯して相手を止めてもいいのではないか、と思います。
インテルのキブがモウリーニョ・サッカーの原則について
ゴール前30メートルまでの地点で相手の攻撃を食い止める
のが原則である、と述べています。
これを考えるならば札幌の守備ラインは簡単にペナルティ
エリアまで戻ってしまっているので極めて危険です。
ゴール前では何が起きるか分かりません。
これが浦和の守備陣ならばゴール前に人を溜めて
跳ね返すこともできるでしょう。しかし残念ながら
札幌のDF陣とGKはそこまで個々のクオリティが高い
訳ではありません。箕輪が入り少し改善したとはいえ、
開幕時の曽田の怪我とブルーノ・クアドロスを
放出してしまったことが今さらながら悔やまれます。
ブルーノの放出に関して言えば、攻撃力の不足を
過大評価したフロントの完全な目算違いだったと思います。
直近の成績を求めるならば、監督更迭も1つの手でしょう。
しかし僕は三浦俊也監督を非常に高く評価しています。
僕が書いたようなことは既に認識しているかも知れません。
長々期的に見れば智将三浦監督を更迭する手はありません。
しかし中にいては分からないこともあります。
それで札幌サポでもない僕が敢えて書かせて頂きました。
最後に一言「最後まであきらめないで!ファイト札幌!」
長文、雑文で読み難かったと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
サッカーコラム
「何故、コンサドーレ札幌が勝てないか?」
2008 8/29記 flowinvain