「秋來」
「秋来たる」
桐風驚心壯士苦
秋風に 心驚き 壮士苦しむ
衰燈絡緯啼寒素
灯火ゆらぎ 月光の下 コオロギ啼く
誰看靑簡一編書
誰か看る 青年記す 一編の書
不遣花蟲粉空蠹
花虫に 空しく粉と されぬようにと
思牽今夜腸應直
思いは牽かれ 今夜はらわた 直となる
雨冷香魂弔書客
秋雨の中 古人の御霊 詩人を悼む
秋墳鬼唱鮑家詩
墓の前 鬼は鮑家の 詩を唄う
恨血千年土中碧
我が血 千年のち 土中の碧となる
李賀(791-817)
「秋来たる」
桐風驚心壯士苦
秋風に 心驚き 壮士苦しむ
衰燈絡緯啼寒素
灯火ゆらぎ 月光の下 コオロギ啼く
誰看靑簡一編書
誰か看る 青年記す 一編の書
不遣花蟲粉空蠹
花虫に 空しく粉と されぬようにと
思牽今夜腸應直
思いは牽かれ 今夜はらわた 直となる
雨冷香魂弔書客
秋雨の中 古人の御霊 詩人を悼む
秋墳鬼唱鮑家詩
墓の前 鬼は鮑家の 詩を唄う
恨血千年土中碧
我が血 千年のち 土中の碧となる
李賀(791-817)

詩人特集第5回は唐の詩人「李賀」(李長吉)です。
李白が「詩仙」、杜甫は「詩聖」、王維は「詩仏」
と呼ばれますが、李賀は「詩鬼」と呼ばれています。
と呼ばれますが、李賀は「詩鬼」と呼ばれています。
鬼の称号に相応しく李賀はそれまでの詩人の
どの系譜にも属さない孤高の境地を切り拓きました。
どの系譜にも属さない孤高の境地を切り拓きました。
しかし彼は個人としては不幸で、帝室の血縁でありながら、
理不尽な理由で科挙を受けられず進士になれませんでした。
理不尽な理由で科挙を受けられず進士になれませんでした。
こうして出世の道を閉ざされた彼の野心は満たされず、
一生を鬱々として過ごし、27歳の若さで病死しました。
一生を鬱々として過ごし、27歳の若さで病死しました。
「恨血千年土中碧」の一節には
「私が吐いた血は千年後に土の中で碧玉となるだろう」
という李賀の凄絶な恨みが込められています。
「私が吐いた血は千年後に土の中で碧玉となるだろう」
という李賀の凄絶な恨みが込められています。
主に陶淵明や王維の自然詩によって築かれた
僕の中の漢詩に対する「ある種の固定観念」は、
李賀1人の存在によって粉々に打ち砕かれました。
僕の中の漢詩に対する「ある種の固定観念」は、
李賀1人の存在によって粉々に打ち砕かれました。