
うつむいたあなたの横顔を覚えています。
あれから月日は幾年と過ぎ、空の色も変わりました。
それでもあなたの見ている空と同じなのかな?
薄暗い世界で明滅する光、
暮れゆく空に差す一筋の光。
お互い手を繋ぐのが恥ずかしくて、
小指だけ繋いだりしたね。
今ではあまりにも遠くへ来すぎて、
二人の道が交差したことなんて幻のようです。
一人歩く夜の砂浜は、
砂を噛みしめる足音がやけに響く。
橋の上で僕が嘘をついた時、
あなたは悲しそうな顔をしたね。
全ては遠く遠く過ぎ去っていくのに、
そんなことばかり覚えています。
頭の中に聞こえるメロディが、
波の音と競い合うようにボリュームを上げる。
あなたが立ち止まったあの時から、
僕は微笑むのが苦手になりました。
微笑むと泣きそうな気持ちになるのは何故だろう。
立ち止まった時、あの時あなたはきっと泣いていた。
僕にはさよならを言う勇気も無かった。