29日(火)朝の気温は21℃、散歩には最適であるに拘わらず朝から細い雨。
降りさえしなければ出向きたい所あったけど、そうもゆかず文庫本・・縄田一男編になる『志に死す』という短編集を選んだ。
池波正太郎・藤沢周平・笹沢左保・菊池寛・山本周五郎の作品から、“男の死”を主題に置いた短編を選んだもので、まだ一度も接したことの無い笹沢左保の『生国は地獄にござんす』に、あの名高い木枯し紋次郎が登場したのに驚くと共に、一度笹沢左保を読んでやろうかと思わせる切っ掛けになった。
5編ともそれなりに面白く読んだが、中でも一番印象に残ったのは山本周五郎の『城中の霜』ではなかったろうか。
幕末の思想家橋本左内は、将軍継承問題に介入したことを問われ、安政の大獄で死罪を申し付けられる。山本周五郎は、彼が獄中で斬首される際、顔を覆って泣いたという逸話を取り上げ、「命を惜しむことこそ本当の勇気である」と言わしめた部分こそ、この物語の主題だったと気付かせるのだった。
