9日(水)の天気予報も、朝の空の色も外出を許さない。

前日の新書本により、目の方にもかなりな疲れが蓄積されてはいても、他に能とて無いから沢木耕太郎の『王の闇』読むことにする。

 

沢木耕太郎と言えば紀行物の『深夜特急』が最も名高く、もちろん私もその多くは読んできた。一方この作家は日本を代表するスポーツ  ノンフィクションライターでもあり、『敗れざる者たち』は最高傑作に挙げられるのもので、ボクシング選手・競走馬の騎手・マラソンランナーなど、ある意味で悲運なアスリートに焦点を当てた作品になっておる。

時には厳しい文章によってアスリートの内面へ切り込む場面はあっても、彼の目は一貫して選手たちへの敬意に満ちてることが良く分かる。

 

今回読んだ『王の闇』は、この『敗れざる者たち』の流れを汲むノンフィクションで、ボクサーの大場政夫・輪島功一にジョー・フレイジャー、マラソンの瀬古利彦に加え、私は知らなかった前溝隆男が登場、一旦高みへ昇り詰めたその世界の王者たちが、どんな姿で引退へと追い込まれるのか、それを直接見届ける内容である。

 

中でちょっと風変わりなのが前溝隆男、彼はトンガ出身で、日本人とトンガ人のハーフなのはいいが、喰うに困って美保ヶ関部屋で相撲を始め、次いでプロ野球の入団テストに臨んだりしながらプロボクシングでは全日本ミドル級チャンピオンに輝いておる。面白いのはその後もで、プロボーラーからプロレスのレフェリーへまで転身するという万能選手ぶりに驚かされるのだった。

 

今日の天気は大丈夫みたい、今、楽なルートをあれこれ模索してる。