2日(日)、天候の加減で観察会は中止になったので、先日手元に届いた沢木耕太郎の『馬車は走る』を読むことに決める。
1頁目を開いてアレッ?これって以前に読んだことあるぞと気付いた。
この文庫本第一刷が発行されたのは1989年・・そう、文庫本になるのを待って買ったんだから35年も前のことだ。
当時、それほど面白かったという印象持てなかったから忘れておったのかも知れないが、読み始めたらどんどん引き込まれ、6編のルポルタージュを一気読みしてしまったのだ。
『帰郷』は囲碁の世界でタイトルを独占しつつあった、韓国籍ながら日本で育った趙治勲が、母国のソウルで棋聖戦を行った折の、彼の孤独な悩みを描いておる。
『ジシフォスの四十日』1975年、美濃部亮吉と都知事選を戦い破れたさまを、石原慎太郎陣営から眺めたもので、懐かしい赤尾敏や松下正寿も立候補してた。
『帝』資産も学歴も無い山田泰吉なる人物が東京・赤坂に、当時世界一とも称されたレストラン・シアター<ミカド>を立ち上げるも、僅か3年で崩壊させる。そしてその後の彼を追う。
『その木戸を』銀行員として順当なスタートを切った小椋佳だったが、布施明に提供した<シクラメンのかほり>が大ヒット、彼の人生も歪んでゆく。そして彼の詩には、小さい時分に母親から受けた暴力などの形跡が残っておるんだと説く。
『オケラのカーニバル』自分の住んでるマンションを売り払い、手作りのヨットで太平洋を一人で往復した多田雄幸の、誠実でありほのぼのさせる人生・・彼は、個人タクシーの運転手として日々を送ってる。
最後の『奇妙な航海』はロス疑惑で時の人だった三浦和義、その逮捕直前に密着取材したもので、これもなかなかの力作とあり目が離せなかった。
こんなに面白く読めたのは、やはり35年という月日の経過によるものかと、改めて驚く。そして三浦和義は後年、アメリカの留置場でシャツを裂き、それで首吊った。
沢木耕太郎は別の作品でこう書いておる。
石原慎太郎は都知事選で、「美濃部のような70歳にもなる爺に都政を任せて良いのか!」と叫んだ。ところが石原は、その美濃部よりもずっと高齢になるまで都知事を勤めた。
極力政治や宗教に関して触れないよう心掛けてはいても、今回のウクライナ・アメリカの首脳会談には愕然とする。会談の全訳をネットで読んだが、なんでアメリカの思考はここまで貧弱になってしまったんだろう、もの盗りそのまんま、弱肉強食ではなかろうか。
我々世代、なんやかや言いながらもアメリカに夢や期待寄せてたのにである、目覚めよアメリカ国民と声上げたい。
期待してた雨はほんの“お湿り”程度、日中の雨量は2mmにも達しなかったろう。

