14日(金)、目覚めたのは6時少し前。

前夜ベッドに転がったのは20時半頃だったから、何と9時間近くも意識不明のままだったことになる。理由は明らか、4日連続でトータル92,000歩という無茶をやらかしたせいだ。

なもので、朝食後からすぐに取り掛かったのはティム・オブライエンの『失踪』なる大冊、読み始めてすぐにベトナム戦争で心に傷負った男の物語だと分かった。

1964年トンキン湾で、北ベトナムによるアメリカ艦船へ向けた魚雷発射事件により起こったベトナム戦争は、アメリカ・ヨーロッパ連合対ソ連・中国連合の代理戦争だったから、10年近い泥沼の戦いが繰り広げられたことになる。

当時日本でもこの戦争は度々取り上げられ、米軍による枯葉剤の使用やソンミ村での非戦闘員虐殺(多くは女性や子ども)は現在でもしばしば話題に上がる。

 

ティム・オブライエンは、特にソンミ村大虐殺に係る『軍法会議証言録』に踏み込みながらこの小説を書き上げたのだろう、当時の軍人達の生々しい証言があちこちに引用されておる。

Q「彼らは何を狙って撃っていたんですか?」

A「敵です」

Q「人でしたか?」

A「敵でした」

Q「それは人間だったんじゃありませんか?」

A「そうです」

Q「人間だったんですね?」

A「そうです」

Q「男性でしたか?」

A「分かりません。おそらくそうだったと思います」

Q「見なかったのですか?」

A「どういう意味ですか?」

Q「その人たちを見なかったのですか?」

A「特に考えなかったのです」

Q「女性を見ましたか?」

A「分かりません」

Q「特に考えなかったとはどういう意味ですか?」

A「その村では個人個人を識別しようとは思いませんでした。村人は全員敵でした。だから全員を絶滅させねばならなかったのです」

 

そんな状況の中で精神的に傷を負った男は帰国後、愛する彼女と結婚し、州の副知事にまで登り詰めたのだったが・・・

いやいや疲れる・・午後2時半、少し頭冷やそうと図書館へ出向いて新聞2紙。

 

今日は六甲山でGH当番、一昨日まで雨予報で気懸りだったが大丈夫そう。

が、それにしても梅雨に入らない、空梅雨に終わって真夏迎えるって恐怖でしかない。