26日(日)、所属する会の3班行事に相乗りさせて頂く形で、奈良は春日山原生林の『滝坂の道』観察に同行した。近鉄奈良駅からバスに乗って“破石(わりいし)”で下車、奈良にお住いのMさんを先導者として原生林に踏み込む。
鹿(猪)垣(しかがき)という石積み、鹿の侵入を防ぐものと聞いたから、当時はもっと高く積まれてたに違いなかろう。そうか、大昔から鹿の害はあったのだ。
気温は28℃にも上がったが、原生林へ入った途端24℃に下がって大助かり、これなら歩けそうと安心に繋がる。参加者は16名。
カギカズラ(アカネ科)
六甲山地では稀少なものだが、ここ春日の社寺林ではかなり見つかる。
『滝坂の道』 能登川沿いにある古代の往来道では、幾つもの小さな滝を見ながら歩く、そんなのが由来になってるようだ。
寝仏さま・・横になって印を結んでるらしいが良くは見えない。
ミゾホオヅキ(ハエドクソウ科) これ見るって何年振りになるだろう。
懐かしい朝日観音
実際は観音じゃないそうだけど、文永2年(1265年)の銘があるから鎌倉時代のものだという。もう20年程も前、柳生街道歩いてこの朝日観音拝んだの覚えてる。
一帯は春日大社の社寺林とあり、人の手が入るのを許さない。
ところが武家の棟梁に成り上がった秀吉、ここに杉の木を植えさせたという。
しかし、この杉の風格はもっと古いもの、秀吉以前を思わせた。
既に13時を少々回った。首切地蔵の休憩所でランチタイム入り。
ふむ、この辺りから後藤又兵衛とか柳生一族にまつわるものが点在するようになる。
初めて聞くトウカズラ(ブドウ科)、立ち上げた茎から気根をぶら下げるんだと。
それは良いとして、フジなんかと異なり茎は他物に巻き付いてはいないから、一体どうやって茎を伸ばしたのか疑問が残っておる。
境内に自生するこの植物は学術上価値の高いものとされ、天然記念物に指定されてる。
モリアオガエル、ぼつぼつ産卵時期に入る。
ヤマムグラ(アカネ科)の本葉(2個)は長く托葉(2個)は短い。
ウドカズラの気根が地面に触れてるのに気付き近寄ると、やっぱり地中へ根っこを伸ばしておった。
これも初めて知ったサンショウソウ(イラクサ科)、今花を咲かせておる。
観察会にしては長距離の10km、奈良駅まではまだ3kmもある・・
春日大社の前を通り奈良駅に近付いた。
奈良ホテル、今でこそ経営母体は変わってしまったが、大正期にはエドワード英国皇太子にアインシュタイン、昭和初期にはヘレンケラーも宿泊したという名門中の名門ホテルであった。
僅か数名の宿泊者に5~60名の従業員が対応してたというから、往時の日本が西欧に追いつかねばという一種の気負いとか焦りが見て取れるように思う。
クイズも交えたMさんの準備と名解説に、只々脱帽するしか無かった。
さて今日は雨か・・お昼前には上がる?