植物学分野ではヤハズエンドウだけど、小学校の教科書でもカラスノエンドウと記載されてる極々身近なマメ科植物があって、私など小さい時分には“ピーピー豆”などと呼び慣らし、青い豆果で笛つくって遊んでおった。
つい数日前から、このカラスノエンドウにルーペ当てるようになたのだが、いくら探しても雄しべ・雌しべ共に見えない。これら蕊は竜骨弁(舟弁)に固く包まれてい、更に上部から翼弁が覆い被さってることに気付かされたのである。
ひょっとして、カラスノエンドウは自家受粉で増えてるんでは?
そんな疑問抱えて18日(木)、8時半に家を出た。
当初はカラスにエンドウだけに集中しようとしたのだが、来週はまたまた雨が続きそうな予報なもので、歩ける内に歩いておこうなる欲も出て、先ずは高取山を登ることにする。山頂から一旦丸山地区へ下って鵯越駅へ登り返し、その足で烏原貯水池。
さすがに疲れたので湊川公園駅から電車で帰宅、4.5Hコースだった。
さて摘み取ってきた花に注目せねばならん。
もちろん典型的な蝶形花で、大きくて薄い赤紫のが旗弁、その下に濃い赤紫の翼弁が2個ある。その翼弁に左右から挟み込まれるような形で小さな竜骨弁(舟弁)が見える。そして何処からどう見ても蕊は裸出していない。
次に萎んでしまった花に注目する。やはり蕊は全く見えない。
あたかも竜骨弁を包み込むように萎んでおる。
ぶきっちょな指先で旗弁と翼弁を剥がし、下部から竜骨弁を見る。
2個の竜骨弁は下部で合着してるから、蕊が見えなくても不思議は無い。
(合着してるから、4弁花と表現してる場合も見掛ける)
次に上から見る。本来蕊はこの竜骨弁に納まってたのだが、ぐちゃぐちゃ指先で触ったもんだから、ごく一部分だけが顔出したという感じ。
いずれにしろ上側には竜骨弁の、狭いながらも隙間はある。
更に竜骨弁を押しやったところ、やっと蕊たちが現れた。
この竜骨弁は他の花弁に較べかなり丈夫な(厚い)感じ受ける。
さて右側の花の、何処にとまれば昆虫は吸密出来るんだろう?
仮に翼弁にとまったとしても、かなり不自然な態勢取らねば竜骨弁上側の隙間に口吻差し入れることは難しいと言わねばならぬ。
これらの観察からして、カラスノエンドウは主として自家受粉で増えてる、そう思ってしまうのだ。この花に昆虫が来てるのか来ていないのかは知らないが、仮にやってきてもポリネーターとしての役割は無く、単なる盗蜜ではなかろうか。
そして盗蜜だとすれば、将来蜜を作らない方向へと進化してゆくのかな・・
こんな部分に頭巡らすって、楽しい頭の体操になるではないか。
メンデルが遺伝の実験に用いたエンドウはマメ科エンドウ属であり、カラスノエンドウはソラマメ属、ハマエンドウはレンリソウ属。
どうやらマメ科植物は自家受粉し易いタイプが多く、雑種化し難いという特性があるみたい。だから比較的容易に品質の安定した収穫が得られるから、穀物には大変有難い性質だと言えるかも知れない。
私が今までこの花の自家受粉に注目出来なかったのは、「カスマグサはカラスノエンドウとスズメノエンドウの交雑種」と刷り込まれてたことに一因があるように思う。
確かにそういう書き込みは今でも沢山残ってるが、中間的な特徴をさした名称であるとの説明が増えてきた。
今日は大学病院、早く終わるから何処か・・