24日(日)も午前中は煙るような雨。

途中で雨に降られるのは仕方ないが、雨の中を出て行くなどという酔狂は持ち合わせておらず、先ずはDVDで邦画の『百花』を観る。

ピアノ教室を開いてる母の百合子が認知症を患い、息子である泉の妻さえ認識できぬ状況に陥る。そんな百合子を献身的に支える泉であるが、“母親の犯した過去の過ち”が燻り続け・・

 

認知症を扱った日本最初の文学作品は、言うまでも無く有吉佐和子の『恍惚の人』で、当時凄く騒がれた小説とありいち早く買って読み、世の中には何とまあ恐ろしい病気があるもんだと震え上がった覚えがある。森繁久彌主演で映画化され、後に三国連太郎主演でTVドラマ化もされた。恐らく本人も辛いんだろうが、家族の精神的負担たるや想像を絶する・・これだけは嫌!、誰だってそう思ってる事だろう。

 

午後、集中する目的で図書館へ向かう。

前日から読み始めてた藤野千夜の『じい散歩』を読み切ってしまおうとしたのだ。

いやいや、こんな本に出合うって初めてとあり少々戸惑いながら読み継ぐ。

東京の椎名町(私はここで3年間暮らしてた)?で暮らす高齢夫婦には、もうすっかり中年になってしまった3人の息子がいていずれも独身。長男は2階の部屋に引き籠って食事時にしか降りてこないし、次男は男性を恋人とする『長女』を自任し、加えて三男は借金にまみれながらのグラビアアイドル撮影会主催者・・

 

しかも90歳に近い夫婦間には、ありもしない“浮気”に関する当てこすり・・

ところが不思議なことに、この5人家族に暗さ付き纏う部分は全く無くて、読んでる途中で思わずクスッと笑えてしまうような生活を送っておるのだから、実は誠に羨むべき家族と言えるのだ。

 

それにしてもである。

藤野千夜なる作家は初めてとあり調べてみたら、『夏の約束』なる小説で芥川賞に輝いた作家、そんな彼女がこんな小説書いたとは信じ難いとあり、これまた図書館で借りるか書店に注文出すかせねばならんから忙しくなる。

 

丸々2日間歩いていないからちょっと心配、怠け始めたら何処までも怠ける自分を良く知ってるだけに、お昼前に歩ける空になればとコース思案中、無理かなあ・・