29日(土)は夕刻からTさんと飲む約束してるから汗はかきたくない。

朝から水村美苗の『母の遺産ー新聞小説ー 下』を読んで過ごすことに決めた。

図書館で借りた文庫本の表紙に“シミあり ご了承下さい”なるメモが貼り付けてあり、シミの付いてるページはP84~88ともメモされてる。

ところが読み進めるとそのシミは至る所にあって大いに不快、なんでこんなに本を汚すのかと、汚れた本借りる度に読者の良識を疑うの繰り返す。

 

上巻で主人公の美津紀が奔放に生きる母親に対し、「ママ、いつになったら死んでくれるの」と叫び、やっとのことでその母親が死を迎えた場面から下巻に引き継がれる。その美津紀も50歳代の中年女性となり、夫に若い女が出来たこと知って隙間風が通り、離婚も視野に入れることになる。

 

そんな或る日、一人箱根のホテルに逗留しながら母親から入ってくる遺産であるとか、夫との離婚により分割されるであろう財産などを細かく計算すると、充分ではないものの一人での生計に見込みが立つのだ・・そしてそれを羨む資産家へ嫁いだ姉。

 

小説の題名にー新聞小説ーなる文言があるのって何なのかと思ってたら、前回読んだ『本格小説』同様にストーリーの“下敷き(底本)”が存在してたのが良く分かった。日本で最初の連載新聞小説とされる尾崎紅葉の『金色夜叉』もそのひとつだったみたい、そしてこの『金色夜叉』にも外国の底本があるとされておる。

 

水村美苗の2つのストーリー読んで、日本文学には国内・海外を問わず各種の読み物を下敷きとして書かれたものが沢山あるんだと知った。

 

『金色夜叉』と言えば「金をとるか愛をとるか」と短絡的に捉えられがちだがそうじゃなく、文豪尾崎紅葉はもっと深い部分へ切り込みたかったんだと、確か高校時代の国語のセンセから聞いた覚えあるが、肝心な部分はすっかり忘れてしまった。

 

夕刻Tさんと、久しぶりに“おでん”で名の知れた店の暖簾をくぐったところ大賑わい、いささか騒々しいカウンターに陣取り、恥ずかしながら4時間半も飲み続けた、おでん3つだけで・・