11日(日)、朝から散歩に出ようと思ったのに、曇り空に意をそがれて午後回しに決める。で、取り組んだのは前日の観察会時にTさんから聞いたヤマコウバシ(クスノキ科)の単為生殖についてで、すぐにネットに出て来た。東北大学・大阪市立大学に大阪府立大学の各大学院が共同で行った調査結果によると、日本に広く広がる全てのヤマボウシは、たった1本の雌株から生じたクローンであることを確認したというものである。

 

大陸から入ってきた1本だけの雌木を母樹として、直線距離で1,000kmにも種子をばら撒いたことになるのだから驚きではないか。しかも殆ど遺伝子配列に乱れは見えないという完璧さ!単為生殖で殖える植物は結構多いけれど、花を咲かせて単為生殖する植物は少ないのではなかろうか、頭に浮かぶのはこのヤマコウバシとセイヨウタンポポくらいでしかない。

 

普通の花では卵細胞や花粉は減数分裂によってつくられるから、染色体数はNに半減してる。ところがヤマコウバシでは減数分裂が行われず、2Nの卵をもつ雌性配偶体(胚のう)が生じ、受精を経ずそのまま2Nの卵が発生するアポミクシスという様式を採るのだ。こうして出来た果実をアポミクトと称するらしい。

もちろん私は知らなかったが、サンザシやザイフリボク、ナナカマドなどでもアポミクシスが見られるとかだし、イネやコムギなど農作物ではこのアポミクシスが応用されてるとか、いやいや勉強になった。

 

次いでネズミモチでは見えない維管束がトウネズミモチでは見える、これはどんな仕組みによるものかを調べようとした。

ひとつ分かったのは、トウネズミモチはネズミモチには無い維管束鞘なる組織を持っているということである。トウネズミモチの維管束はこの鞘を形成する細胞層に包み込まれており、その厚みの分だけ葉緑体を寄せ付けない―――そんな意味のことが書かれておるけど、それだけではどうにも納得いかないから、機会を改めて挑戦したい。

 

そして読んだのはまたまた児童書の『は虫類と両生類』

なんで次々こんな本を読むかと言えば、ほんの短時間で新しい知識が得られるからだ。

「多くの両生類は自分たちの生まれた池や小川へもどってくる」

そう、この前に読んだ『カエル』でも、モリアオガエルは森から生まれ故郷の池へ帰って産卵すると知ったのだが、多くの両生類がそうだというのである。戻る指標は匂いであり地球の磁場であり太陽の位置などらしく、鳥の渡りも太陽の位置以外に案外磁場なんかも参考にしてるかも知れずと勝手な想像したりする。

 

もひとつ。 私は今まで完全に間違って理解してた部分に気付かされた、ヤモリの足指である。今の今までヤモリの足裏は吸盤になってて、その吸盤でガラスにでもくっつけるのだと思い込んでおった。ところがそうではなく、足裏にはウロコ状になった皮膚があり、そのウロコには細かい毛が生えてて、その毛を微妙に操作することで壁の表面をしっかり掴むことが可能になるんだそうな。ただこの仕組みは未だ十分解明されておらず、解明が進めばとんでもない応用に繋がるみたいだ。

他の生物では分泌物や爪などで表面に接着するが、細く短い毛で接着するなんて思いもよらなかった。グリーンサポートでイモリの話ししたこと無いから、子どもたちに嘘は言ってないけど、何事もシッタカしてはいけないと痛感させられた。

 

お昼食べてたら空が明るい、ウエストポーチにポケットカメラだけ入れて外へ出るも「さて何処へ向かえば・・」 前の家と違い街中のマンション、周囲の緑ある場所へは小一時間は要するから難儀、結局須磨離宮方向へと歩いた。

園内は“名残り紅葉”、落葉盛んとなってる。

 

 

ジュウガツザクラは満開、花は小さい。

 

秋バラは一部まだ十分鑑賞に値する。

 

須磨寺公園、水鳥は0だった。

 

この須磨寺は潤沢なんだろう、それとも寺域拡張を自負するアルジなんだろうか、とにかく毎年毎年工事が絶えない。

 

お墓の団地がブームとあって、作ればすぐに満員御礼・・この小さな抽斗1個に数十万円支出するんだから、お寺としてはどんどん作りたくもなるんだろうけど、端からみてる私には“有難さ”が薄まってしまう。 途中で時雨に遭って10分ばかりの雨宿りしたが、正味2時間の散歩にはなった。