31日(木)から1日(金)に掛けて一気に読んだ本がある。 これも先日Tさんから借用した文庫本で後藤正治の『奇蹟の画家』(講談社文庫)、地元神戸を中心にしたノンフィクションノベルだから、どっかに私の知ってる人物が出て来はしないかなんて部分にもドキドキしながら読み切ってしまった。

確か昨年か一昨年に店を閉じた元町本通りの総合書店海文堂。
その四代目社長であった島田(現在は島田ギャラリー主宰)のところへ一本の電話が入る。
電話の主は、神戸市兵庫区にある東山商店街の一角に建つ棟割長屋の狭い部屋で、一人絵を描き続けてる50歳に近い石井一夫なる人物だった。
アルバイトで生活資金を得ながら絵を描いてはいても、只の一度だって展覧に供した事がなく、もちろん絵を売った(売れた)訳でもない・・・
とにかく惹きつけられる作者の文章力だし、画家石井の人間味、書店主の絵に関する眼力や画商としての魂部分にも詳しく触れられてるから、本が手放せぬくらいと言っても過言じゃない。
名伯楽という言葉があり、秀でた資質をもった人を見抜いたり、その能力を引き出すのに巧みな人物を指すのだが、このノンフィクションの中にそんな名伯楽が何人か登場する。 今年一番のお奨め本である。
実はこの文庫本の中に、私もグリーンサポートで係わってる本山第一小学校が登場する。 1995年1月17日に阪神・淡路を襲った激震で大きな被害受けた児童に校舎、1,000人の避難者に死体安置所まで設けられたのだから、講堂もグランドも地震への対応で精一杯・・
当時その学校に勤務されてた中西なる教諭も、海文堂で開催されたチャリティー美術館で石井の絵に接して感銘受けており、教え子亡くしたんだから余計に女神の中に安寧を見い出したのかも知れず。