8日(土)、予定してた電車旅だったのに、出立直前になって「雨予報、延期します」のメールが入った。 雨なんて前日から十分予測出来てるじゃないかと電話したら、
「既にT君とK君からOKの返事来てるんで・・」 
こんなことなら、年一度の“アユのつかみ取り&塩焼き10本”へ行っとけばよかったわ。 おまけに今週中盤に予定してたある小学校のGSが中止に、これにも別件断ってまでお手伝いしてたのだから悔しく、一体全体幾つの計画が潰れてしまったか。。。本当に勝手な空との巡り合わせだ。

土曜日の朝刊には昔から「読書」というページが組まれており、不愉快な記事には目を背けてもこのページには自然と目が向いてしまう。 その欄に、「カルピスをつくった男 三島海雲」なるノンフィクションものが紹介されていたから読んだ。

日露戦争開戦で一攫千金狙ってモンゴルへ渡った三島海雲、その地でカルピスのモデルとなった乳製品に出合い、軍需物質としても重要な商品に育て上げる。
二次大戦の敗戦を迎えた後に彼は、乳酸菌を含めた微生物研究を説いて回り、あのカルピスブームを招くことにも成功する。

ところが彼は遂に、一人息子克騰を社長に昇格させることをしなかったのは、日露戦争の勝利に酔ったことある海雲と、満州カルピス社長として第二次大戦の終末を迎えた克騰の距離の違いだったという。 日露戦争戦勝記念行事を催そうとした社長に対し長男はことごとく反対・・ すなわち克騰、「青酸カリと一緒に飲むから」と求める人々にカルピスを配った苦い経験があったのだ。
そんな息子の過去に思いも致さず・・カルピス創業者は勝手なヤツである。

この「読書」書評と、暇に任せて昨夜観たDVD『赤い月』が実に相似形であることに驚いた。
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大戦末期、満州を夢の大地と喧伝したのは時の政府であり軍部であった。
その満州で一攫千金を狙う波子(常盤貴子)と勇太郎(香川照之)夫婦、かの地で酒造会社を興して成功、軍部との繋がりを保持しつつ大成する。
ところが敗色濃くなり、全てを投げ打って脱出を試みることになるのだが波子、結果的には夫も従業員も突き放し、何が何でも生きるべく2人の子どもを引き連れて逃げに逃げる。

そんな中、勇太郎は波子や子どもたちと合流できるのだが、そこへ現われたのはソ連兵、勇太郎は満州にとり残された日本人への責任から、自ら志願して強制労働に加わり連行された結果死亡してしまう。

カルピスの長男と勇太郎の生きざまは極めて共通する部分多く、波子の生き方に女の強さを見い出し、そんな部分を評価する鑑賞者も多いそうだが、それはきちんとあの時代を捉えていないからと思わずにおれぬ。
波子が生きようとする意味、それを女の性で片付ければ簡単だが、今の私からしても背筋が冷たくなるような勝手なヤツである。

図書館から電話があり、予約入れてた絵本『100万回生きたねこ』を受け取りに行った。 いつもの貸出係さん、ちょっと不思議そうな表情浮かべて大きな絵本を差出し「期限は9月22日です」
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絵本であるとは聞いてたが、ホンマに15枚程度の絵本とも思って無かったから、
こんなの閲覧室で読んでしまえと席に着く。
サラサラっと読む・・ 分らない。  も一度読む・・ 分らない。
作者佐野洋子は、畏れ多くも谷川俊太郎の奥さんを数年つとめてらした童話・絵本作家だし、各種の賞(特に小林秀雄賞や各種出版文化賞)を受けてられるんだから、やっぱり気合い込めて読まなければと3回目、分らん。

だから持ち帰ってまた2度ばかり。
主人公のとらねこ、王様に船乗りにサーカスの手品使い、時にはどろぼうやお婆さんに大切に大切に飼われるんだが一向に幸せを感じない、それどころかどの飼い主を嫌ってさえいる。 自分が死んだ折に泣くのはいつも飼い主たちばかり、丁寧に埋葬されるなんてのを100万回も経験する。 だから死ぬのなんか平気なねこである。
あるときこのねこ、飼い主のいない“のらねこ”になって初めて自分らしいねこになりましたとさ。

そんなのらねこの前に1匹の白いねこがいて、俺は100万回も生きてきた、お前はまだ1回だって生き終えてないんだろと自慢げに言うも「あら、そっ」の返事しか返ってこない。 そんな白ねこの側にいつまでもいたくなって・・
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白ねこは可愛い子どもを沢山産みました。
そんな白ねこや子ねこを眺めつつ、ひょっとしたら自分と同等以上に大切なものを見つけたんだろうか、子どもたちは大きくなってそれぞれへ散らばった後も、いつまでも白ねこと生きたいと思うのだ。

が、そこには寿命というものがあって、ある日白ねこは亡くなる。
ねこは大いに悲しんで泣き叫び、泣き終えたとき彼も静かに動かなくなった。
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それがどうしたと言うんだ?
不満ばかりの猫生を100万回繰り返し、最後の最後に愛すべきものに巡り合って安らかに死ぬ・・ そんな勝手なヤツってあるか!

本日の観察会は雨だけど、なんとかデビューして場数のひとつとして欲しい。