1日(土)9:30、奥歯に被せ物を取り付けて当面の歯科治療が終わり、「次回は4ヶ月後の1月初旬ですね」と受付嬢、実に4ヶ月も通い続けたからホッとする。
珍しく真っ直ぐ帰って中勘助の『銀の匙』に集中することとした。 この本はその昔、神戸の灘中学校で国語を教える橋本センセが、文庫本で僅か200頁に丸々3か年を費やして授業したものとてよく知られており、しかもその授業は昭和25年から35年間も継続されたというから凄いではないか。
しかも中勘助自身、灘中でその授業を参観したらしいから世の中面白い。

ただ私は今まで、それほど関心示した訳でなかったのに、夏目漱石がえらく推奨した小説であることを知り、んなら一度と手にしたもので、作者の幼年期から少年期に至る一種の私小説になるんだろう。
生まれた時から病弱で泣き虫な子どもは、優しい伯母さんの背中に背負われて幼年時代を過ごすのだけれど、時代は明治時代中期で生まれは神田の下町とあり、当時の世相とか子どもの遊びなんかがいっぱい出てくる。
中には私自身だって経験した“写し絵”(移し絵? 絵の描いてある紙を水や唾で濡らして腕なんかに貼り付け、そっと剥がすと絵だけが皮膚に残るあれ)や、毛糸などを使ってやった“綾取り”に“にらめっこ”
これもあった怪しげな“見世物”に“麦粉菓子”(我々はハッタイコと称してた?)、懐かしげなおもちゃも登場するが、次々に出てくる植物の種類には驚きで、書き留めてゆけば数十種に及ぶだろう。
この小説、ストーリーに期待したのではダメ、私にはどう表現したら好いのか分からぬけれど、灘中3ヶ年の国語授業に耐えられるだけの中身は確かに備えてるようで、いささか分り難い箇所あれど退屈せずに読み終えることが出来た。
*巻末にある“注解”をひとつひとつ追いながら読めば、もっと多くの発見があるん
だろうが、今はそんな余裕無いから、近い将来再読も考え置こうか。
呑気にしてる場合じゃない、台風21号が虎視眈々と日本列島を狙ってる。
気圧920hPa、瞬間最大風速は60m、まさかこの勢力保持したまま上陸するとも思えぬが、対策怠らぬようにせねば個人としても大きな被害を受けかねない。
今年の列島は正に災難続きで今後も思い遣られる。