少し前から、いつかドイツの文豪ゲーテの作品に挑戦してやろうと考えてはいた。
ゲーテの代表作といえば戯曲『ファウスト』だろうと本屋さんで手にしてパラパラ・・ 
こりゃ駄目だとはすぐに判断できる。 すなわちギリシャ神話に登場する悪魔や聖書に描かれるミカエルにガブリエルといった天使が次々に登場しそうな感じで、その辺りに全く無知な私にしたら、この長編を乗り越えるなんて絶対に不可能、ファウストは漫画にもなってるらしいから私はそっちと決める。
ただし、漫画にも難渋することだろう、きっと。

そこで買ったのはファウストの代打『若きウェルテルの悩み』。
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随分手こずりながらもやっと読み終え(理解したとは全く別問題)はした。
それは粗筋書くだけでも私には無理、そこで上っ面だけ記述したら以下のようになるのかな。 2部構成になってって、1部はウェルテルが親友ウィルヘルムへ向けた書簡形式であり、2部は“編者”という立場から、ウェルテルが残した文書や聞き及んだ事実を挿入しつつ彼の自死までを辿ってる。

青年ウェルテルは許婚のアルベルトがいることを知りつつも、ロッテの美しさと感性に惹かれ、我を忘れたような生活を送る。 当初こそアルベルトとも心を通わすのだが、懊悩が深くなるにつれ当然のことながらアルベルトの存在を疎ましく思うようになる。 例えば「ぼくだけがロッテをこんなにも切実に、心から愛していて。。。」  「どうしてぼく以外の人間がロッテを愛しうるか、愛する権利があるか、ぼくはこれが時々のみこめなくなる。。。」という具合に。
結婚したロッテとアルベルトは徐々にウェルテルの存在が無視できなくなり、特にロッテは心ならずウェルテルを避けるような事態へ進展する。

そんなある日、ウェルテル旧知の作男が自身の主人である未亡人への想いから、自分の代わりに雇われた作男を殺してしまう事件が起こった。
殺人者である作男に自分が置かれた境遇を重ねあわせたウェルテル、この男を弁護しようとしたが、当たり前ながら法官であるロッテの父親やアルベルトに撥ねつけられ行き場を失ってしまうのだ。

ある日ウェルテル、アルベルトの拳銃を借りて自殺。
「さあロッテ、ぼくはためらうことなく冷たい死の杯をとって・・・」
「あなたのために死ぬという幸福にあずかりえたならば。ロッテ、あなたのために身を捧げるという幸福に・・ぼくはよろこび勇んで死んでゆく・・・」

さてどうだろう、ウェルテルの心情は十分に理解できると言っても、また洋の東西で愛の表現方法は異なると言っても、私たちからすると彼のピストル自殺はロッテへの当てこすり部分が大き過ぎ、決してロッテの仕合せを願ってるとは言い難い。
死ぬとしても、も少し潔く静かに死なねばならないのでは?

この「若きウェルテルの悩み」はゲーテ自身の経験を下敷きにした小説で、実はロッテ60歳の折に2人は再会を果たし、ゲーテはそれをも小説に残してるという。

人間だれしも初恋の、苦くて甘い思い出は所有してるもので、私だって5~6年にも亘る“片想い”を経験し悲しい結末を迎えたのに、この歌一曲で乗り越えようとしたのだから潔い、橋 幸夫の「チェッ チェッ チェッ」。

♬  忘れちゃないと 風が吹く
   あきらめちゃいなと 雪が降る
   さっきチラッと 見かけたあの子
   夜更けの外車に乗っていた
   そっぽ向いてた チェッ チェッ チェッ

   ・・・・・・・・・・
   行っちゃえあんな子 どこへでも
   雪のはかなさ チェッ チェッ チェッ
                                     1964年ヒット

この歳にして再会か・・あって良いような悪いような。 
でも私のバヤイは片想い、相手は全く気付いてなかっただろうから「再会」とは言い難いか・・・