4日程前、三宮へ出たついでに買ったのがサマセット・モームの『月と六ペンス』で、読み始めたら面白くて中断し難く、短距離移動の電車の中でもついついページをめくってしまうことになった。
作者も言う通り、名高いフランスの画家ゴーギャンをモデルにしたものではあってもそこは小説、実際のゴーギャンの生涯を描いたものではなく、主人公はイギリスのストリックランドなる人物に置き換えられている。
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株の仲買人として成功をおさめ裕福な生活を送るストリックランドは、妻にも聡明な2人の子どもにも恵まれながら、40歳になるある日、その何もかもを投げ捨ててパリへ出奔してしまう。
“わたし”はその真意を確かめようとストリックランドを探し当てたところ、彼の口から出たのは「おれは描かなくてはいけない。描かずにはいられないんだ」――

しかしストリックランドはその絵を売る訳でもないし、世間に認められた訳でもなく、タヒチの小さな島で悲惨な生涯を終える。 ただその死後になって絵に対する評価は空前のものになり、いわゆる“再発見”されるに至る。

何処までがゴーギャンなのか創作なのか私には分らないが、小説として読むだけで十分に楽しめるのであった。
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芸術は爆発だ、それは岡本太郎が発した有名な言葉であって、時として「芸術家には無軌道も許される」というふうに誤った捉え方される場合もある。
それは別として、芸術家の魂の視点や芸術とは生きることそのものであるという部分について一種小気味良く映った1冊であったのは、世俗に紛れ込んだ自身の能力やふがいなさかが大いに関係してるんだろう。

がまあ、一気読みできたんだから作者と訳者には敬意を払う。