あれやこれやに手を出すもんだから、300ページばかりの小説に1週間掛けてしまった。 読んだのは西加奈子の『漁港の肉子ちゃん』で、いつもながらこの作家の表題は風変り。

大阪や東京で何人もの悪い男に騙され、東北か北陸かの、いずれにしろ小さな漁港に住むこととなった38歳の女性と小学生の娘キクりんが繰り広げる温か味ある日常を描いた小説だ。
肉子ちゃんはもちろんあだ名であり、デブで不細工なんだけれど天真爛漫、とにかく明るい性格で漁港の人気者、一方でそんな母親をちょっと恥ずかしく感じながら小学校に通うキクりん。
特別感動的な場面が出てくる訳でも無いから、読み手によっては不満が残るかもだが、作者である西加奈子自身が理想とする女性の生き方・性格を肉子ちゃんに置き換えたのじゃないかと思える節がある。