15日(日)は終日の雨、屋外派としてはとてつもなく長い一日で、それも今後3~4日も続きそうとあればくさくさする。
いい映画でもやってれば出掛けたいところだがそれも見つからず、先日借りてきた角田光代の『かなたの子』に取り掛かる。
単行本は8編から成る短編集なので、先ずは表題作から読み始めることにした。

この短編は2012年に泉鏡花文学賞を得たもの。
泉鏡花と言えば幻想的な怪奇小説作家として知られ、ずっと以前私も、『高野聖』に特別な感動を覚えたもので、そんなのを期待しつつページをめくる。
妊娠8ヶ月で流産してしまった子に如月なる名を付け、彼女が暮らす集落では硬く禁じられておる墓参を繰り返し、花を供え玩具やお菓子を持って行く。
集落の言い伝えによれば、名付け・墓参をしなければ失った子は必ず次に生まれてくるとされるのだが、彼女にしてみれば如月は如月であって生まれ変わるなど信じられないのである。
そんな中、夢に現れた如月が「会いたい」と訴えたからそれに応え、娘がいるという“くけど”の世界へ一人足を踏み込むのであった・・・
他の短編もある意味似たような展開で、女性作家特有の視点から描かれた奇妙な小説ではあるが、泉鏡花文学賞に値するかどうか・・までは何とも言えない。