17日(水)は朝一番、今上映中だと教えて貰った韓国映画「ヒマラヤ~地上8000メートルの絆~」を観、午後は2時間ばかり歩いてサギソウ咲く池へ行ってやろうと心準備してたのに、急遽日程調整せねばならぬ事態が起こってしまった。
しかも三重の入れ替えを要したからお昼前まで空費、こうなるとサギソウだって面倒になってしまう。
そこで読みかけてる『出星前夜』を手元に引き寄せる結果になる。
この読み物は長崎・島原の乱を題材にした長編小説なのだが、私がもってた天草四郎たちの宗教弾圧に対する反乱とうい薄っぺらな知識を覆す、極めて大きな民衆の蜂起だったことに気付かされた。

恥ずかしながら私の知識ときたら、“銀のクルスを胸に架け、踏絵恐れぬ殉教の・・”の歌詞通り、幕府や藩の取り締まりに抵抗した、敬虔な天草のキリシタン抵抗運動、その程度にしか捉えていなかったのだ。
小説は2部構成になっていて、プロローグ読み始めた折には長崎の蘭方医が主人公かとも思わせたが、実は1部で島原における過酷な圧政が取り上げられ、2部でその苛政に対する内乱が生々しく展開されることになる。
1000数百枚にのぼる長編とあり、登場人物が多い上に各種記録も複雑、そんなのにいちいち付き合ってたのでは前へ行かないから、どんどん読み進める。
この島原の乱は単純な農民一揆にあらず、土着領主や改易で主家を失った武士も沢山加わっている上に宗教も絡んで、反乱軍は一枚岩とはなれず、島原と天草間での確執もあったようだ。
即ち島原の反乱軍が藩政を正し、過酷な年貢取り立てを控えさせるを目的にしたのに対し、天草軍は天の使い天草四郎の名のもとに、キリシタン王国の設立を前面に押し出したのだから事はややこしい。
それにしても時代は徳川第三代将軍家光の世、近代的な鉄砲・大砲などの兵器も使用され、双方の死者は数千人にも及んだとされる。
戦が長引けば当然幕府の中枢部が動き始める。
特にゼウスを前面に出す戦となれば、幕府政道そのものに反旗を翻す賊徒と化すから、当然反乱軍は鍋島・細川など九州の大藩相手の戦いを強いられることとなり、約40000人にのぼる老若男女が原城跡に籠城する。

確かに3方を海に囲まれた“場所”ではあるが、立て籠もったのは城跡、籠城軍は斜面に穴を掘って住居にしたというから凄い。

幕藩討伐軍は4藩35000もの兵(最終的には13万ともされる)を集めながら、5~6000ほどの男手しかない蜂起軍に惨敗を繰り返したが、そこは多勢に無勢、兵糧攻めも含めた攻撃の前に全員討ち死。
今も残ってるらしい原城址の石垣。

私が脚を踏み下ろしたことの無い県が唯ひとつあって、それが長崎県。
何とか機会を設けて長崎県へ入りたいし、その機会に恵まれたら島原とこの原城址は逃せない。
橋幸夫が歌った「銀のクルスを・・・」だけど、最後の方の歌詞に“はまなすの花も泣く”というのがある。
長崎という南方に、ハマナスが咲くんだろうか???
読み終えて本を返却、ついでに同じく飯嶋和一の『雷電本紀』と『狗賓童子の島』を予約しといた。飯嶋和一、なかなかやるじゃん。