昆虫が好きになれない私だが、やはり関心を持たせてくれるムシもいるのである。
そのひとつが先日の若杉天然林で見掛けたザトウムシで、これは何も始めて見たムシではないけれど、えらい脚の細くて長いクモだな程度で終わっていた。
ところがその天然林で、この虫の名が座頭虫なる名を持ち、クモの仲間とは異なるんだと教えられた。座頭とは盲人を指すから、どうも眼を持たず、触覚で周囲を探りながら餌を探すらしい。胴体にくびれが見当たらないので、小さな豆に8本の細い針金をくっつけたような体をしてる。

翌日、そのザトウムシについて少し調べてみたところでは、名前に反して1対の目は持っており、それに加えて長い脚を触覚のように用いて歩くんだそうだ。
もっと驚いたのはこの仲間、4億年1千万年も前の化石が見つかってるそうだから、海水中から陸上へ進出した初期の動物ということになり、我々の大先輩だったのだ。
もひとつ調べたのは、先の市ケ原闇鍋で見たKさんの、カラスムギ(イネ科)の種子を使ったパフォーマンスである。
そう、種子は回転運動しながら地中へ潜ろうとするあれだ。

カラスムギの種子は、長い芒(のぎ)をつけた穎(えい)に包まれており、その芒の根元は乾燥状態で細かくらせん状に巻いている。この部分が水を含むとらせん状が解けて芒を回転させる、いわゆる乾湿運動を行うのだ。
この乾湿運動により芒が回ると、根元の穎に包まれた種子は地面に押さえつけられる形となり、まさに地中へ潜り込むこととなる。
この運動、我々人間の頭で解釈すれば、これは想像を絶する長期間で得たカラスムギの知恵なのだ。