今読み終えた(難しい部分は遠慮せずにスルー)本にこんなのがある。
図書館で4冊の貸し出し希望してたところ一度に届いたから、かなり慌てて読んだので理解間違いがあるだろうけど、なかなか骨のある解説本。
イメージ 1
 
 
 
そこで昨日の散歩時には、結構周囲の樹木に目を配りつつ歩くことが出来た。
例え本からでも何かをつかめば、それを確認したくなるから楽しみも増えるというものである。
何らかの原因で樹幹に傷が付いたりした場合、放置すれば腐朽菌に襲われるし、風にも弱くなるので、それを修復しようと活発な細胞分裂が行われる。
そこで、こんなふうに厚い樹皮を巻き込み、特にこの部分には抗菌性のある物質を大量に送り込むと同時に細胞壁をがっちり固め、座屈を防ごうとする。
この写真は良い例じゃないけれど、羊の角に似てるからラムズホーンと呼ぶ。
イメージ 2
 
 
 
このプラタナス(スズカケノキ科)やサルスベリ(ミソハギ科)に、カゴノキ・ユーカリなど厚いコルク層を形成しない樹種では、幹や枝全体でも光合成を行っており、ケヤキ(ニレ科)やアカマツ(マツ科)の枝でもそうらしい。
数年毎に組織は古くなって脱落するが、それは3色の斑状に見える。
イメージ 3
 
イメージ 4
 
 
 
枝、基本的に枝は落ちるのを覚悟してるみたいで、例えば沢山の枝をもった幼木も、大きく成長した後に当時の枝はまず残っていない。
ケヤキやクスノキ(クスノキ科)・クヌギ(ブナ科)などは、風で倒れるのを防ぐために、かなり積極的に枝を落としてる。その枝を落とした跡は、きちんと修復しておかねばならぬ。そしてこの空洞化した内部には、きちんと防御層が形成されてるから、水が浸入しても平気でおれる。
 
こうして見ると、幹が枝を飲み込んでた様子がはっきり解る。
当然幹は肥大成長するから、それに伴って次々に枝を飲み込む。
イメージ 5
 
 
枝は腐ってるから、この木から板材を作ると節穴が開いてる事になる。
イメージ 6
 
枝は自己責任の世界にある。
つまり、光合成が十分に出来ない枝は、他の枝から援助を受ける訳じゃなく、自ら枝を落とさねばならない(一種のアポトーシス?)。枝を落とす仕組みなど私に分かるハズもないが、導管内に隣り合わせる柔細胞が入り込み、通導を妨げる(チロース現象)ことで落とす、一種の離層形成かも知れない。
 
 
紅葉は何も秋に始まる訳でなく、枝葉が何らかのストレスを感じたり、旧葉が新葉と入れ替わる場合によく見られる。
紅葉のメカニズムも難しいが、取り敢えず緑色したクロロフィルが分解されることに始まる。クロロフィルが分解され緑色が退色すると、カロテノイドを含む葉は黄葉する。
一方、葉に残ってる糖分が酵素の作用でアントシアニンに変われば紅葉するし、クロロフィルの分解が中途半端な場合はくすんだ赤になる。
イメージ 7
 
イメージ 8
 
さて、面白いのはここからだ。
クロロフィルの構成成分は窒素やマグネシウムなどのミネラルで、植物にとっては貴重な物質だから、離層によって通導が遮断される前に枝側へと回収されるという。
ならばやはり、花が萎む折にも、花から養分回収が行われておっても矛盾しない。
 
ここまできてハタと気付く。ならばサクラやツバキは江戸の職人、回収などに目もくれずパッと思い切り良く捨てている。
 
 
比較的樹皮の薄い樹木の、枝の付け根に着目すると、その上下に何やら薄っすらとした境目が見える。Aで囲った部分で、右の枝はこの一番下辺りから伸びはじめた、その痕跡が残っているのだ。
 
BとC、枝の付け根の下側と上側が膨らんでいる。
この部分をトランクカラーと呼び、幹と枝の組織がせめぎ合ってるのだ。
ここは特に細胞分裂が活発で修復機能も強いから、剪定や枝打ちの際はこのトランクカラーのすぐ上で切ってやると腐朽菌のワルサから逃れられる。
イメージ 9
 
 
 
見事に修復されてる例。
こんな場合、呑みこまれた枝は、この木が枯れるまで内部で保護されることになるだろう。
イメージ 10
 
 
 
これはクヌギ(ブナ科)。
クヌギやコナラでは、新しいコルク層の上に古いコルク層が幾重にも重なり、厚い外樹皮になっている。
イメージ 11
 
またこの外樹皮中には、多量のタンニンを含有させているから、樹液中に抗菌物質を準備する必要が無い。よって樹液は甘く、国蝶オオムラサキをはじめスズメバチやクワガタなどの昆虫が集まる。
では、なぜ同じ仲間のアベマキに昆虫は来ないのか? アベマキでは余りにもコルク層が厚く、樹液を分泌するような傷さえつき難い・・とある。