野山に咲く花になど何の関心も無かった10年ほど前、何人かで六甲山最高峰から東お多福山経由で芦屋川へ下ったことがある。
同行者の一人が東お多福山に咲くセンブリ(リンドウ科)を見つけ、ほう、あの胃腸薬で名高いセンブリってこんな花を咲かせるのか、そんな程度に観ておったところへ老人が近づいて来、「昔は色々な花が沢山咲いていた山なのに、この通り今ではすっかり駄目になってしまった」と嘆いていたのをはっきり覚えている。
 
1970年代までは、ススキ(イネ科)が優占する六甲山地最大の草原だった東お多福山は、その後どんどん植生変化が進み、ネザサ(イネ科)が覆う山へと変化、近年に至っては各所に樹木も混ざり始めた。
このまま放置すれば遷移が進み、数十年後には森林になってしまうだろうとは、誰だって想像できる。
そんな東お多福山に、昔と同じようなススキの優占する草原を再生しようと実験区が設けられ、自治体はもちろん各種団体が協力してササ刈りが始められている。
29日(土)、その中核団体「東お多福山草原保全・再生研究会」による講演を聞きに出掛けた。
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ネザサが覆う山からは、草原生植物が次々に姿を消し、同時に動物たちも少なくなってしまってるから、観光資源として見ても劣化の一途なのは間違いない。
ササ刈りは2007年から始まったそうで、実験区も500㎡から8,000㎡へと拡大し、植生調査によっても確実に実績を上げつつあるようだ。
(もともとのススキ草原は数十ha、つまり数十万㎡に及んでたので、8,000㎡というのは正に実験区に過ぎない)
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反面、これらの再生作業は膨大な人手と期間を要する上に、財政の苦しい自治体からの援助も難しいとあって、もちろん皆さん手弁当・・  それでも数十名の協力者を得て、ゆっくりではあるが保全・再生に取り組んでおられる。
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昨年私も、この実験区での観察会に参加したのだが、ススキの被度がネザサのそれを上回ってるように感じたし、ツリガネニンジンなどの草原生植物も何種か観察できた。