10日(日)は、私が属する班の担当で行われる観察会だった。
前日や当日早朝の天気予報は『寒冷前線の通過により、お昼過ぎに一時雨。前線の通過後はぐっと気温が下がるでしょう』とあったけれど、野山で一時雨程度は覚悟の上、集合場所へと向かった。
それにしても朝の気温は18℃もあり、電車の中は蒸し暑くさえ感じる。
9:50、神鉄有馬口駅から有野川沿いの、いわゆる逢山峡の植生を観察しながら歩き始めた。シキミ(シキミ科)の黄色い花が目立つ。

シキミは根っこから葉っぱに至る全身が有毒、特に種子の毒性は強いそうで、植物としては唯一「劇物」に指定されている。
葉は芳香を放つところから、その昔には納棺や火葬時にこれを用いて臭気を消していたそうである。(葉脈が見えにくいので、シキミの葉には脈が無い・・Hさんの説明には思わず笑ってしまった)
これはブナ? エノキ? 全身ヤドリギ(ヤドリギ科)に取り付かれている。

粘着物質を纏ったヤドリギの種子は、鳥に運ばれながらこうした落葉植物の枝に付着して芽を出して寄生する。自身も光合成するから、半寄生という呼び方が正しいのだろうか。
総勢36人が、3~4つの班に分かれて観察。どうも空模様が怪しくて気が気じゃない。特にビジターさん達には、好ましい状態で歩いて欲しい。

まだ雪の残る早春にでも開花するオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)、厳しい環境に耐える特別な仕組みを持っているに違いない。このブルーは実に魅力的である。

仏谷出合で昼食。予定通り上手くタイムを刻んでおる。
しかしこの頃、天気予報通り前線が通過してるのだろう、風が強く雨も降りだした。
おまけに気温も随分と下がり、頬が強張って喋り難いほど。
天気予報を甘くみてはいけない。

本来は古寺山(7世紀には多聞寺という寺が創建され、清盛の福原遷都時は都を守護する寺であったとされる)にも登るのだが、粘土質で滑り易い部分があったり、少々ガレてる所もあるからと、それは省いて神鉄六甲駅へ向かった。
その途中、Aさんから「四鬼さん」の家を教えて貰った。

四鬼とは、役行者に仕えた鬼であり、前鬼は夫で後鬼は妻の、夫婦だとされる場合もあるが、普通は前鬼2匹に後鬼2匹として描かれることが多いので、四鬼と表現される。この四鬼さんが、役小角に仕えた鬼の親類なのかどうかは不知だけど、Aさんの説明によれば奈良は天川村から出て来られた四鬼さんだそうだから面白い。
こうして私たちの班が担当する観察会が終了、ホッとした。