9月2日の朝刊で、越中おわら風の盆の記事を見つけた。
名高い日本の踊りは沢山あるに違いないが、私が知るのはこの、深く笠を被って静かに踊るおわら風の盆と、徳島の阿波踊り・高知のよさこい程度しかない。
是非ともこの越中の踊りを見てみたいと思うに至ったのは、もう20年以上も前、職場の友人に勧められて、高橋 治の「風の盆恋歌」を読んだことに始まる。
越中八尾の風の盆は9月1日から3日まで、今年もまた出掛けることが叶わなかったので、せめて本を読み返してみようと本棚を探った。

基本的に私は、湿っぽい不倫や恋愛ものに対する関心は薄いのだけれど、文庫本巻末、加藤登紀子の解説にある通り、高橋 治は恋物語という形式をとりつつ、風の盆をこそ描きたかったに相違無いと思う。
まあそれほど筆を尽くして、静謐で幽玄な踊りを表現しているから、この小説を読めば誰だって越中八尾の風の盆に出掛けたくなる・・