早春の山へ入ると、ツンとするようなガス臭に遭遇する。
これはヒサカキ(ツバキ科)の花が発するもので、決して喜ばれはしない。
ヒサカキは雌雄異株だから、雄木には雄花が咲き雌木には雌花が咲く。
つい先日の観察会で大先輩のKさんが、ヒサカキには両性花の付く場合があるというけど、本当だろうかと仰る。
実は3年前、別の観察グループが両性花を見つけ、私もルーペで覗き込んだことがあると言ったところ、そうか、是非観てみたいものだとなった。
28日(水)その両性花を求めて近くを歩き回ることにした。
10分も歩けばそんな場所へ入ることが出来るから、逆説的に我が家は便利である。
ヒサカキの雄花。10数個の雄しべをもっている。

ヒサカキの雌花。柱頭の多くは3裂しておる。

さて落ち着いて両性花を探そうと手提げ袋を探る・・・しまった、ルーペはウエストポーチ入れたままだった。両性花探しは後日回しになった。
今回私が観たところでは、ヒサカキでも雄木が圧倒的に多く、雌木は3割程度しか無かった。ヒトの性はXY型とXX型染色体で決まるから、性比はほぼ1:1となるのに、植物では一体どのようになっているんだろう?
一点の雲も無い空に白梅が冴える。

2ヶ月近くも遅れたアセビ(ツツジ科)の満開。

ファストフード店で昼食を済ませ、ふと北の空を見上げてびっくりする。
紫色に曇ってきて、遠雷までが届く。

また降られるのかな?と思うや否や、ザッと降りだした。どうも雨音がおかしいと思ったら、アラレ混じりの雨である。頭上で稲光が2度3度・・

雨宿り30分、陽が差し始めた。さっき降った水、早速天へ帰ってゆく。

つい最近、トベラに鋸歯は無いがシャリンバイには鋸歯があるから、判別は難しくないと記述した。ところがそんな記述は誤りであると気付いた。
これ、シャリンバイ(バラ科)

その葉。鋸歯など全く見当たらない。
「シャリンバイでは、鋸歯が出来ることもある」とせねばならないだろう。

要するに、葉のみで判別する際は、沢山の葉を見れば良い。シャリンバイには鋸歯を持ったものが先ず間違いなく存在するからだ。
シャリンバイの果実中には、大きな種子(1~3個)が入っており、果肉と呼べる部分は実に少ない。果実は大型だし果肉が少ないとなれば、これを食べる鳥の種類は限定されると思われる。

3年前、私も観たあのヒサカキの両性花、あれは本当に両性花だったのか?という疑問を感じ始めている。確かに中央に雌しべがあり、その周囲に4~5個の雄しべがあったから、ルーペ上では両性花とするほかないだろう。
しかし本来的な両性花とは、雄しべは花粉をつくり、雌しべは胚珠を有しておらねばならないから、ルーペで断定するのは不可能である。
退化した雄しべをもつ雌花なんて沢山あるだろうに・・・