前回読んだ伊坂幸太郎の『モダンタイムス』が面白かったので、2匹目のドジョウを狙って『ゴールデンスランバー』を買った。
モダンタイムスが国家や権力といった怖い組織に、それでも一矢報いてやろうとするストーリーであるのに対し、ゴールデンスランバーはあくまで逃げ回る展開、これもなかなか面白かった。

次いで南木佳士の『草すべり』。
医師であり文章を書く人も多い中、私は彼が書いたものは大部分読んでいて、『医学生』、映画化された『阿弥陀堂だより』、『山中静夫氏の尊厳死』、『信州に上医あり』など印象強いものが多い。
南木佳士の研ぎ澄まされた文章は、清冽と言うにふさわしい。
3番目は、これも山本周五郎賞の『果断』という警察もの。
起・承は引き込まれる展開だが、転の段階は辻褄の合わぬ感じがするし、結はもう、転の時点で見通せるような筋書。18切符でJRに乗った折にでも読むような、軽い推理小説だった。