
天皇から、この花の名を問われた牧野富太郎、まさかヘクソカズラでございとは言えぬから、サオトメカズラと返答したという(ホントかどうかは知らぬが)。
味も香りも、個人差の極めて大きな感覚だから、いちがいにどうとは言えないにしても、決して名前ほど嫌な臭いのする植物ではない。その点ではクサギも同様で、気の毒としか言いようがない。
さて、ヘクソカズラなる名前は果たして、本当にその臭いから出た名なのだろうか?
お百姓さんにとってこのアカネ科の雑草は、引っこ抜いても引っこ抜いても退治出来ない、厄介な存在だったから、ついつい「クソッ」と愚痴ったに違いない。私はそう信じるに至った。
私の知る範囲でホンマに臭いのは、カリガネソウ(クマツヅラ科)とコクサギ(ミカン科)だが、コクサギは傷つけぬ限り大丈夫。
なのにカリガネソウは、どうもガスを噴出させてるみたいで、近づいただけでムッとくる、質の悪い植物だ。
上の写真をよく見ると、長い雌しべは下部で2本に分かれていて、花の外部へ伸びている。花を横方向・縦方向に割ってみると、雄しべは折り畳まれるように花冠の内側にくっついている。自家受粉を避ける仕組みだろうか?


また花冠の内面や花筒の入口には、繊毛のような腺毛がびっしり生えていて、何かの役割を有する粘液を分泌しているのだろう。
ひょっとするとこの腺毛で、蟻などからの盗蜜を防いでいるのかも知れないし、今一つ考えられるのは、苦労して潜り込もうとする蜂や虻の体に、たっぷりと花粉を付けて貰おうとする工夫やも・・