部屋に戻ったら、すぐに看護師長さんが来た。
人工肛門を増設する場所に印を付けた。
お臍の周りに、油性ペンで4つの丸印。
看護師長『びっくりしましたよね。
ストーマのこと、ちゃんとフォローしていきますので、心配ないですよ』
人工肛門のことを、ストーマと呼ぶと知った。
外科には排泄ケア認定看護師がいるそうだ。
この時はまだ、術後のストーマ生活のことなんて何も考えていなかった。
産婦人科ではストーマのフォローができないので、術後は産婦人科から外科へ部屋が移動する。
荷物は運んでおいてくれるらしい。
弾性ストッキングを履き、ショーツとガウン。
車椅子を押されて、手術室へ向かった。
手術室の前で、夫と木田先生に見送られた。
もう少しで助かる。
痛みから解放される。
『いってきます』
笑顔で手を振って中へ入った。
ベッドに横になりキョロキョロしていたら、田部先生から声をかけられた。
『大丈夫ですよ』
穏やかだった。
ポンポンと触れられただけで、スッと落ち着いた。
2日間、痛みでほとんど眠れなかったので、やっと眠れる。
眠りたい。
起きたら手術は終わっている。
ちゃんと目を覚ますだろうか。
まな板の鯉だ。
信じるしかない。
酸素マスクを口に押し当てられた。
苦しい。
術前の記憶はここまでだ。
22時から約3時間の緊急手術が始まった。
お医者さんて、すごいな。
1日中手術してたのに、夜中にまた手術。