週に2回、看護助手がシーツ交換に来る。
動けない時を除けば、いつも窓辺のテーブルで終わるのを待っている。
手際良く作業する姿を見るのが心地良い。
いつもの2人組。
1人は強気で、いつも看護師や患者の悪口を言っている。
もう1人は聞き役。
強気な方は『私は嫌いな人とは話さない』と言っていた。
前回の入院中から何度も顔を合わせているが、話しかけられたことがなかった。
きっと私のことが嫌いなのだろうと思っていた。
『虹が出ていますよ。
ほら、見て。2つ』
レースのカーテンを開けてくれた。
初めて話しかけられた。
話しかけられたことに驚いたが、うれしい出来事だった。
『ありがとうございます。
すごい。
見られてうれしいです。
写真に撮っておきます』
ダブルレインボー。
何か良いことが起きるだろうか。
手術が無事に終わりますように。
もう危険な目に遭いませんように。
シーツ交換が終わっても、しばらく窓辺で外を眺めていた。
病気をしてから、警戒心が強くなり、人を寄せつけない雰囲気だったのかもしれない。
反省した。
良い患者でいたい。
迷惑をかけないように気をつけよう。
虹は薄くなり、消えていった。
