朝一番の訪問は、大抵主治医の田部先生。


先生『おはようございます。

今日から食事を出しますね。

腸が休んでいたので、しばらくは便の回数が多くて、下痢が続くと思います』

私『すみません。

腸がつながっているのか。

穴が塞がっているのか。

心配です。

食事を摂るのが怖いです』


食べたものが、またお腹の中に広がるのではないか。

先生を信用していないわけではない。

ただ、怖い。


先生『しっかりつないでいますよ。

僕が手術したので、大丈夫です』

私『そうですよね。

わかってはいるんですが。

すみません』


手術が上手いと評判の田部先生。

他の先生や看護師から聞いていた。

嫌な気持ちにさせてしまっただろうか。

申し訳なく思った。


お昼、食事が運ばれてきた。

しばらく眺めていたが、なかなか勇気が出なかった。


水を飲んでいるのだから、液状のものなら大丈夫だろう。

スプーンで、1口。

久しぶりに味の付いたものを口にした。

それから、もう少し液体を口に含み、飲み込んだ。


やはり、食べることはできなかった。

怖い。