朝方、夜勤の看護師が挨拶に来てくれた。
看護師『入院、長かったですね。
お迎えの時間に、荷物はロビーまで看護師が一緒に運びますからね。
心配しないでくださいね』
コロナの影響は続いており、家族は病棟に入れないため、1階のロビーまで迎えに来る。
まだ重い荷物を持てる状態ではないので、手伝ってもらえると知り、安心した。
朝食が、最後の病院食。
最後でも、食欲は沸かなかった。
最後の担当看護師が、ルーティーンワークに来た。
一番苦手な看護師だ。
自分の都合が悪くなって、大きい声で私を責め立てた人。
できれば、もう会いたくはなかった。
でも最後なので、しっかり大人の対応をした。
看護師『お迎え、10時ですよね』
私『はい。
荷物、よろしくお願いします。
お忙しいのに、申し訳ありません』
身支度を整えて、看護師を待った。
10時前、夫がロビーへ到着したと連絡がきた。
10時半。
まだ看護師は来ない。
11時前。
まだ来ない。
看護師の最終チェックが終わらないと帰ることができない。
仕方なく、ナースコールを押した。
苦手な看護師が、バン、と勢いよくドアを開けて入ってきた。
看護師『忙しいんで、ちょっと待っててもらえませんか?』
私『すみません』
11時半。
さすがに待たされすぎてるな、と思い、またナースコールを押した。
看護師『忙しくて、まだ荷物を一緒に運べないので、待ってください』
私『私、1人で大丈夫なので、もう出たいです。
家族も待たせちゃってるので。
すみません』
看護師『どうぞ』
部屋のチェックもされないまま、1人で荷物を持ち、病室を出た。
最後なのに、とても嫌な気持ちになった。
『藤井さん。
大丈夫?
こんなに持っちゃダメよ』
顔見知りの看護師が走り寄って来てくれた。
それに気が付いた、苦手な看護師も来た。
苦手な看護師『藤井さんが、1人で大丈夫って言われたんですよ。
手伝うつもりだったんですけど』
私『大丈夫ですよ。
ありがとうございました』
入院生活は終わった。
私は、やっぱりついていない。

