乳がん検診に行った。
私の住む地域では評判の良い中核病院。
検診を予約したが、数日前から行きたくない病が出ていた。
初めての病院は億劫だった。
新しくて明るい病院。
問診票や病歴・入院歴を記入するのが毎回大変なのだが、事前に郵送されてきていたので助かった。
受付や検査への誘導もスムーズで、待ち時間もほとんどなかった。
血圧測定後、検査着に着替えてマンモグラフィ検査が始まった。
何度か検査を受けたことはあるが、この痛みに慣れるのは難しい。
左右と上下、4回乳房を圧迫される。
痛い、痛すぎる。
最後の一回。
『力を抜いて息を止めてください』
検査は終わった。
やばい。
視界が白くなり、立っていられなくなった。
吐き気がした。
動悸と震えが始まった。
気が付いたら、数名の看護師に囲まれていた。
車椅子に乗せられて、ベッドのある部屋へ移動した。
『気持ち悪いですか?』
『大丈夫ですよ』
『少し足を高くしますね』
『着替えと荷物は持ってきてますからね』
看護師は手際良く対応してくれ、みんな優しく声をかけてくれた。
血圧を測り、しばらく休むことになった。
『痛みで血圧が下がっちゃったのかもしれませんね。
落ち着くまで横になっていてくださいね』
初めて検診に来ただけなのに。
こんなに良くしてもらえるなんて。
横になったまま、似たような出来事を思い出した。
かかりつけの石橋病院での術前検査の時のこと。
ストーマ閉鎖術前。
いくつも検査を受けた。
今回と同じように体調が悪くなり、立っていられなくなった。
近くにいた看護師が待合室の椅子に座らせてくれた。
『外科に連絡しましたが、落ち着いたら帰って良いそうです』
対応はそれだけだった。
誰も様子を見に来ることはなかった。
吐き気などの体調不良のまま横になることもできず、しばらく椅子に座っていた。
冷たい病院だなと思った。
忙しそうでもなかったのに放置だった。
悲しかった。
嫌なことを思い出してしまった。
しばらく休んだので体調が回復してきた。
ナースコールを押した。
すぐに数名来てくれた。
血圧を測って、脈を確認してくれた。
『帰れますか?』
『もう大丈夫ですか?』
優しい。
天使だ。
『もう大丈夫です。
ありがとうございました。
助かりました』
私の着替えを待って受付まで送ってくれた。
病院によってこんなにも対応に差があるなんて。
驚いた。
でも、おかげで良い病院があることを知ることができた。
優しい人がたくさんいる病院もあるんだな。

