心理士先生のカウンセリングの日。
近況報告の流れで、フラッシュバックの話をした。
ICUでの出来事。
鮮明に蘇る記憶。
不安や恐怖。
嫌な匂いで吐き気がしたこと。
大事にする気はなかった。
迷ったが、ずっと誰にも言わずにきた。
時間も経ったし、看護師が特定されることもないだろう。
心理士先生は言った。
『医療者側の肩を持つわけではないですよ。
現実に起きていないことを、実際に起きたことだと勘違いしている可能性もありますよね。
幻覚のような。
全てがそうだとは思いませんが』
そんなことありえないと思うでしょ?
とは言わなかったが、変な空気になったので、ついつい笑ってしまった。
『今となっては笑い話ですよね。
なんか、変な話をしてしまってすみません』
しまった。
やっぱり言わなければよかった。
真実ではないかもしれない。
なんて言われることは予想していなかった。
妄想とか、幻覚とか。
病気だと、そんな風に受け止められるのか。
悲しかった。
嘘なんてついてない。
妄想でも幻覚でもない。
現実に起きたことなのに。
誰かに迷惑がかかると思って、1人で抱え込んできた。
軽い気持ちで口にしたら、傷付いた。
後悔、反省。
今後はもっと慎重に。
もう余計なことは言わない。

