退院前日。

退院の実感が湧いてきた。


午前中のうちに、薬剤師が退院後の薬を届けに来てくれた。

アナフィラキシーショックを起こしたことがわかるように、お薬手帳に詳細を書いてくれた。

薬剤師『市販の薬を購入する時も、薬局で手帳を見せてくださいね』


お昼に心理士の先生が来た。


先生『いよいよですね。

やっぱり不安ですよね』

私『体の回復と心の回復が比例していないような気がしています。

病院としては体が治れば、それで良いのかもしれませんが』


先生はとても話しやすい。

ついつい本音を言ってしまう。

職場のお局様の愚痴も聞いてもらったことがある。


一生懸命頑張らなくて良い、いつもそう言ってくれた。

アナフィラキシーに怯えて生きていかないといけない、と不安な気持ちを話したら、お守りとしてエピペンを持つことをすすめてくれた。


小さな不安や困り事に、いつも誠実に答えてくれた。

先生とのおしゃべりの時間が心地良かった。


でももう終わり。

なんだかさみしい。


先生『藤井さんの次の外来の日にカウンセリングの予約を入れておきました。

話すことないな、もう大丈夫だな、と思ったらキャンセルしてもらっても良いですよ。

外科の診察が終わったら、看護師に僕を呼んでと声をかけてくださいね』


先生の仕事は、入院中の患者さんのケアをすることと聞いていた。

退院してからも、また会えると聞いて、うれしかった。


先生『ではまた』

私『はい。

色々とありがとうございました。

また外来で』


夕方になる前に荷造りをしようと思っていたら、研修医の山中先生が来た。


先生『色々なお話ができて楽しかったです。

僕、外科に進もうと思っています』

私『すごいですね。

頑張ってくださいね。

私も楽しかったです。

ありがとうございました。

抜糸も』


初めての抜糸は私のお腹。

手が震えていたのを思い出した。

不器用そうだが、明るくて真っ直ぐなまま、良い先生になるんだろうな。

頑張れ。


入院生活で3人の研修医と出会った。

とても魅力的な人達だった。