食事の時にテーブルに行く。

トイレ、シャワー、歯磨き。

窓際で外を眺める。

部屋の中では、これくらいしか、ベッドから出ない。

部屋の外へは、レントゲン室に行くくらい。


歩く練習もやめた。

また迷惑かけて、怒られたくないから。


排泄困難な状況は改善しない。


持ってきた本も読みたくない。

テレビも付けたくない。

ただ、ぼんやりしていた。


心理士の平井先生が来た。


思うように体調が回復しないこと。

退院したいけど、退院後の生活が不安だと思っていること。

手術が原因で不安障害になり、自分が自分ではなくなったような気がしていること。

看護師から、たくさん歩くように言われて、追い詰められていること。


いつもたくさん話を聞いてくれる。

どんなに言葉に詰まっても、ゆっくり聞いてくれる。


先生『頑張ってやらなきゃって、思わなくても大丈夫ですよ。

少しずつ、日にち薬で良いと思います』


そう言ってもらえるだけで、自己嫌悪で張り詰めた心が、少し楽になる。


主治医に何か聞きたいことがあっても、忙しそうだと遠慮して、思うように話せない。

いつも、疑問が解消されないままで不安に思うことが多い、と話してみた。


ノートに書いておいたら良いと言ってくれた。

気になることや、質問、心配ごと、体調、痛い所。


先生『医者は忙しいから、言葉を選んで悩んでいたら、すぐに去ってしまうでしょ?

書いたものを見せたらいいですよ』


夕方、田部先生にノートを見せてみた。

1つ1つ丁寧に答えてくれた。

言葉で説明するのが、とても苦手な私でも、これならコミュニケーションが取れると思えた。


次の日、また平井先生が来てくれた。


私『先生のアドバイスのおかげで、田部先生に、聞きたいことが聞きやすくなりました。

ありがとうございます』

先生『作戦、成功しましたね』


ちょっとしたことだが、困り事を聞いて、さりげなくアドバイスをくれる。

いつも、申し訳くらい時間を使ってもらっている。

本当にありがたい。