シュー
シュー
と、音が聞こえてきた。
視力が悪いせいか、視界不良で、少し混乱した。
ここはどこ?
夢?
朦朧としていたが、フットポンプの音だとわかった。
だんだんと目が覚めた。
ICUにいる。
生きている。
よかった。
時間はわからない。
少し眠っていたようだ。
カーテンが開いて看護師が入って来た。
看護師『目が覚めましたね。
ご気分どうですか?』
私はうまく声が出せなかった。
看護師『ゆっくりで大丈夫ですよ』
私『…あつい、…あついです』
他にも、聞きたいことがあったが、それが精一杯だった。
検温をしたら、38.8度だった。
すぐに看護師がアイス枕を持ってきてくれた。
しばらくして、またカーテンが開いた。
執刀医の田部先生と研修医の山中先生だった。
先生『無事に終わりましたよ。
ご主人にも連絡しましたので、安心してください』
私『はい。
ありがとうございます』
先生『明日、外科病棟に戻りますからね』
外は薄暗い。
眠ろうと思ったが、体の痛みが強くなってきた。
熱のせいだと思い、我慢していたが、呼吸が苦しいほどの痛みになった。
全身が痛い。
特に背中や関節。
我慢ができない。
ナースコールを押した。
すぐにまた、田部先生が来てくれた。
先生『痛み止めのお薬を変えてみますね。
強いお薬なので副作用が出るかもしれません。
吐き気とか、体調が悪くなったら、すぐに教えてください』
私『はい。
ありがとうございます。
湿布を貼りたいです』
看護師からは、喘息持ちなので湿布は貼らない方が良いと言われていたが、先生に頼んだら許可してもらえた。
鎮痛剤を投与する機器が運びこまれた。
看護師が、背中や腕などに湿布を貼ってくれた。
外が暗くなった頃、婦人科の木田先生が様子を見に来てくれた。
笑顔だったので、ほっとした。
先生『無事に終わったみたいで、よかったです。
今日は僕も手術だったので、様子を見に行けず、すみません』
私『無事みたいですね。
ありがとうございます』
先生『痛みますか?』
私『はい。
すごく痛くて辛いです。
薬を変えてくださったので、効くのを待っています』
しばらく話をした。
先生『また明日』
私『はい。
ありがとうございます。
また明日』
だんだんた薬が効いてきたので、少し眠ろうと思った。
しかし、隣のおばあさんの容体が悪くなり、ICUはバタバタとし始めた。
カーテン1枚隔てた真横で、おばあさんが苦しんでいる。
がんばれ、がんばれ、と無事を祈った。
どのくらい時間が過ぎたのかわからないが、おばあさんは落ち着いたようだ。
よかった、よかった。