深夜0時過ぎのICU。
他の患者の寝息や機械音。
そわそわしていた。
輸液ポンプという機械で点滴を投与していたが、突然、音が鳴り始めた。
荒々しくカーテンを開け、不機嫌そうな看護師が急いでやって来た。
『腕を曲げたら音が鳴るので、曲げないでください』
去り際に溜息。
『すみません』
数分後、また音が鳴った。
『もー』
カーテンの向こうから、怒りが伝わって来た。
カーテンの中に入って来て、無言で機械の電源を切った。
目を合わせることもなく、去ろうとしたので、勇気を出して声をかけた。
『体に影響はないのですか?
点滴、元に戻してもらえませんか?』
『気にしないでください』
と、看護師は去った。
誰か助けて。
苦しい。
夕方から喉の痛みや息苦しさがあったが、看護師がイライラしているようなので、我慢していた。
しかし、持病の喘息が出るような感じがしたので、怯えながらナースコールを押して、状況を伝えた。
『到着の先生呼ぶんで』
シャッとカーテンを勢いよく閉められた。
間もなく人が来た。
『せんせー、おひさしぶりですー』
その日2度目の猫なで声。
もう、うんざりだった。
しばらく看護師が自分の質問をして、先生を拘束した。
『患者さんは?』
ようやく看護師に解放されて、私のところに来てくれた。
若い先生と研修医。
2人とも、いわゆるイケメン。
なるほど。
患者を待たせてまで、看護師の承認欲求を満たす必要があるのか、疑問だった。
『3日間も気管挿管していたので、数日は喉の苦しさや違和感が続くかもしれません』
様子を見ることになり、先生と研修医は去った。
他の患者もナースコールを押して、痛みを訴えていた。
しかし、看護師に叱責された。
こんなことが起きていること、きっと病院は知らないだろう。
こういう人は、上司にうまく立ち振る舞うのだから。
ICUという閉鎖空間。
安全であってほしいと思う。