『もう嫌だ。
手術はしたくない。
なんでこんな目に遭うの。
次こそは死ぬと思う』
夫に訴えたかが、無駄な対抗だとわかっていた。
田部先生と山中先生が戻って来た。
ストーマの閉鎖は、早めにした方が良い。
閉鎖すれば、心の不調も落ち着くだろう。
先生も夫も同意見だった。
心の準備ができたら手術日を決める、という選択肢の提示もあった。
『一度退院すると、もう戻って来る自信がありません』
入院したまま、体の状態を見て、手術日を決めることになった。
溢れる涙を堪えることができなかった。
『わかりました。手術します。
でも、もう一生ストーマを閉鎖しなくても良いと思えるくらい、怖いです。
本当は手術をしたくありません』
『藤井さんの気持ちをしっかり受け止めて、最善を尽くします』
と、田部先生が言ってくれた。
次の手術は、万全な状態で行うと約束してくれた。
アナフィラキシーショックが起きたのが、手術中でよかった?
気管挿管状態だったからよかった?
ラッキーだった?
死んでたかもしれないのに。
そんなにポジティブな思考ではない。
こんな最悪な状況で、何でみんな簡単に、運がよかったなんて言えるのか。
半年前の手術では合併症で人工肛門になった。
今回の手術ではアナフィラキシーショックが起きた。
こんな私のどこがラッキーなのか。
本当に防ぐことは不可能だったのか。
もう嫌だ。
でも、正直な気持ちは全て蓋をして、物分かりの良いフリをする。